ぶち猫おかわり

料理ときどきぶち猫二匹

生たこをおいしく食べる11の方法について

釣りたこを一杯頂きました

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たこ釣りに行った友人から釣果のたこを一杯丸々頂いてしまいました。釣ったそのままを冷凍して、クール宅急便で送ってもらったもので、写真はこれを解凍したところです。ぐにゃっとしてヌメヌメしています。

今回は、これを活用してたこのおいしい食べ方を模索してみたいと思います。

たこの下ごしらえ

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ネットで検索したところ、生たこ表面のぬめりは塩で揉むと取れること、一度冷凍するとぬめりが取れやすくなること、生のたこの表皮は真水に弱いこと(真水で洗うと剥がれやすい)などが分かったため、まずはたこに粗塩を振ってよく揉み込んでから、キッチンばさみを使って内蔵と目玉、くちばしを切り離し、最後に塩水でぬめりをよく洗い流しました。

 

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ぬめりを洗い流したあとのたこ本体。かなりさっぱりしましたね。

生たこの調理法については、Twitterにて募ったところ、かなりの数のお勧めを頂いたので、基本的にはこれを一つずつ試す形で合計11種類を実際に作って見ました。

食べ方1:たこと長葱のペペロンチーノ

というお勧めを頂いたので、まずはたこのペペロンチーノを作ります。

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ペペロンチーノを作るにはパスタが必要なので、まずはパスタを作ります。冷蔵庫にカプート社のパスタ用粉があったので、フードプロセッサーで卵入りの生地を作り、パスタマシンで細めにカットしているところです。

 

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セモリナ粉をまぶして、できれば一晩以上寝かせたいところです。パスタの詳しい作り方については過去記事をご参照ください。

buchineko-okawari.hatenablog.com 

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ペペロンチーノのソースは、にんにく1〜2かけを細かく刻んだもの、鷹の爪人数分、米油をフライパンで中火でゆっくりと熱し、にんにくが色づいてきたら、薄切りにしたたこと長葱を加えて、油を絡ませるように炒め、フライパンを揺すりながら平行して茹でているパスタのお湯(塩が入っている。)を少しずつ加えて、脂分と水分が白濁して乳化したらできあがりです。ここに茹で上がったパスタを入れて、全体をよく混ぜ合わせます。

 

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たこに長葱をあわせたことで、和の雰囲気のあるパスタになりました。たこを長時間加熱しすぎないことがコツです。ソースに溶けたたこの旨みがパスタ全体に行き渡って、たこのおいしさを堪能できるパスタだと思います。

食べ方2:たこ、アンチョビとマッシュルームのアヒージョ

ということで、アヒージョいってみましょう。

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作り方ですが、直火にかけられる容器に、みじん切りにしたにんにく、アンチョビ、鷹の爪、塩少々にグレープシードオイルを注ぎ、ぶつ切りにしたたことマッシュルームを入れてゆっくりと加熱するだけです。

 

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ただでさえ出汁の出るたこに、アンチョビとにんにくにより異なるタイプの旨味を追加するパターンがおいしくないわけがない。オイルをパンに付けて食べるのもとてもおいしくお勧め。

 

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もちろん白ワインにはばっちり合いました。

食べ方3:たこザンギ(たこの唐揚げ)

はい、たこザンギいってみましょう。

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生たこの足をぶつ切りにして、醤油、料理酒とみりんを各30cc、ここに生姜すりおろしを入れたタレにつけて、冷蔵庫にて30分ほどねかせます。

 

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その後、水分を拭き取って片栗粉を絡めて、180度の油でカリッと揚げるとできあがり。熱々のたこからじゅわっと溢れ出る甘辛くて出汁の効いた汁が最高で、ビールが進みます。

北海道の人に教えてもらう魚介レシピは、大抵あたりなのがすごい。

食べ方4:串に刺したたこ天

「さほど珍しくない。」との前置きでお勧め頂いたのですが、初めて聞く調理法でした。しかしかなり具体的なオーダーでもあるので、想像で作ってみることにします。

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たこ足の先を串に刺して、小麦粉をまぶし、さらに天ぷらの衣を作ってまぶしてから、180度に熱した油でよい色になるまで挙げました。

 

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塩で食べました。ザンギとの違いとしては、元が薄味なのでたこ本来の味が楽しめる、串に刺してあるので食べやすい、お店っぽくて楽しい。そもそもたこは揚げるとすごくおいしいので(油がハネるので危ないですが)、そういう意味でたこ揚げバリエーションの一つとしておいしくて面白くてよいと思います。

食べ方5:たこ飯

たこ飯はお勧めが多かった一品です。

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たこはお茶でさっと茹でて(臭み取り)から一口大に切り、出汁昆布、調理酒、塩少々にお醤油を一回しかけて、お米と一緒に炊きました。

 

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炊き上がってから千切りの生姜を混ぜ込み、仕上げに刻んだ紫蘇をあしらいました。一緒に炊くことでたこは柔らかく、ご飯にはたこの出汁が行き渡って、たこもご飯もおいしいという最高の調理法。一手間かけて生姜と紫蘇を追加すると、さっぱりスパイシーになります。

 

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そして、たこ飯を多めに炊いておいて、次回は焼きおにぎり出汁茶漬けにするというバリエーションもあります。すなわち、たこ飯をおにぎりにして、ごま油を敷いたテフロンのフライパンで両面をこんがり焼き、上に刻んだ紫蘇をあしらいます。

 

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ここにほんのり醤油で味付けした熱々のかつお出汁を注ぎます。

 

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最初は焼きおにぎりのままかじるのもありですが、最終的にはこんな感じで、たこ飯をだし汁の中でほぐして、さらさらっと食べます。焼いた部分の香ばしさがとてもおいしいです。

食べ方6:たこの桜煮

ここでお勧め頂いたたこの柔らか煮は、別名桜煮とも呼ばれているようなので、桜煮と称して作ってみたいと思います。

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まずは生たこを熱い番茶で5分ほど煮ます。「番茶」には様々な解釈があるようですが、今回は緑茶を煮出した汁を使いました。番茶でたこ等の魚介類を煮る意味としては、臭み取りになるようです。

 

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番茶から取り出したたこを、醤油50ccと煮切った調理酒50ccに黒糖10gを溶かした汁と一緒にジップロックに入れて、80度で4時間加熱しました。このような加熱には、Anova Precision Cookerのような恒温調理器具を使うとべんりです。

 

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加熱が終わったもの。液体部分の色が濃くなっていて禍々しい雰囲気。汁は取り出して鍋で2/3くらいになるまで煮詰めて、切り分けたたこと合わせて出来上がりです。

 

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4時間煮たことでものすごく柔らかくなっていて、これまでとは一線を画する食感になっていました。甘めの醤油味が上品で、とてもおいしいです。

食べ方7:たこのガリシア風

たこと言えば定番のガリシア風も作っていきます。

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生たこは、海水と同じ濃度(3%)の水、ローリエと一緒にジップロックに入れて、Anovaを使って80度で4時間加熱しました。

 

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別物のようですが、たこの色素が水分中に滲み出たようで、水が小豆色に染まっていました。後述しますが、加熱する際に一緒に封入する液体をオイルにした場合のほうが、成分の流出が少ないようにも見え、興味深いところです。

 

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たこは冷ましたのち薄切りにして、ゲランドの塩とピメントン(スモークパプリカ)、オリーブオイルをふりかけます。ピメントンというのはスモークしたパプリカなのですが、普通のパプリカとは全く違って鰹節のような風味があります。

また、辛いものと辛くないものがあるようで、今回は辛くないほうを買いました。辛味が必要な場合にはチリパウダーを追加すればよいので、こちらのほうが応用が利く気がしたためです。

 

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できあがりです。下にじゃがいもを敷いてもよかったけれど、時間が足りなかった。長時間加熱したたこはすごく柔らかくて、ここにピメントンの不思議な風味が加わって、白ワインのお供としてとてもよい味わいです。

少しチリパウダーを混ぜて、辛くして食べてもよさそう。

食べ方8:たこのセビーチェ

セビーチェ、やってみましょう。

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生たこと合わせるというオーダーだったのですが、鮮度的に生で食べてよいか不安だったため、加熱しました。加熱するとなると中途半端にやるよりは面白い気がして、オリーブオイルと一緒にジップロックに入れて、Anovaを使って、こちらも80度4時間加熱しています。

 

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先程から、やたらとたこを80度で4時間加熱したと書いていますが、これらはもちろんまとめて加熱したものです。すなわち、こんな感じで生たこを異なる液体に浸した状態でジップロックに入れて密閉し、まとめてAnovaにて加熱したわけです。

 

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こちらが加熱後の写真。先程も言及しましたが、比べてみると、中央のたこをオイルと一緒に密閉したものが一番成分の流出が少ないように見えます。ただ、味の違いはそこまで顕著にはわかりませんでした。

 

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さて、改めて、こちらがオイルと一緒にジップロックに入れて加熱したたこの加熱後の様子です。

 

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冷ましたのち角切りにして、トマト、みじん切り玉ねぎと青唐辛子と一緒にレモン汁、塩とオリーブオイルでマリネしました。

 

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仕上げにピメントンを少々ふりかけてあります。とにかく爽やかでこれまでの料理と少し違ったテイスト。 たこはとても柔らかい。あと控えめにしたつもりでしたが、唐辛子がとても辛かった。ですが、全体的にはすごくおいしくて、辛い辛いと言いながら完食しました。

食べ方9:たこしゃぶ

初めて聞いたのですが、たこしゃぶのおすすめも多かったです。

 

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たこしゃぶのセッティングです。

 

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生たこは一度下処理したものを再度冷凍して、半解凍状態で薄切りにしました。

 

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昆布出汁で土鍋を満たし、その中に茹でた冬瓜、甘唐辛子(辛くない唐辛子)、茗荷とえのきを入れて茹でながら、たこを入れてしゃぶしゃぶします。

 

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これをまとめて自家製のごまダレで食べました。たこは加熱しすぎず、ギリギリ火が入っているくらいが柔らかくておいしい。たこと昆布の出汁でお野菜を食べるのも粋でよいですね。

食べ方10:たこ燻

お勧めはなかったのですが、前から気になっていた調理法としてたこを燻製してみました。

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生たこは番茶で5分ほど茹でた後、茹で汁に醤油を足したものと一緒にジップロックに入れて冷蔵庫で一晩置きます。醤油味を浸透させる目的です。

 

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水分をよく拭き取った後、燻製鍋で燻製します。

サーモス 保温燻製器 イージースモーカー ブラック RPD-13 BK

サーモス 保温燻製器 イージースモーカー ブラック RPD-13 BK

 

 

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薄切りにして出来上がり。晩酌用セットとして、薬味に生わさび、すだち、ゲランドの塩、削りたての山椒を添えました。

 

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これはそのままでもほんのり醤油味でとてもおいしいのですが、生わさび、山椒やすだちで風味を追加してもとても美味しくて、お酒が進んでしまう鉄板の肴だということがわかりました。またやります。

食べ方11:酢だこの唐揚げ

このお勧めは、さらに確認したところ、酢だこを唐揚げにしてみなさいという司令だということが判明したので、やってみることにします。

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番茶で軽く茹でたたこを甘酢に漬けて、冷蔵庫で一晩置き、水分をよく拭き取ってから片栗粉をまぶして180度の油でからっと揚げました。

 

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できあがりです。味ですが、外はカリッと中からじゅわっと酸っぱいたこ味の汁が溢れて、慣れない刺激に脳が混乱します。酢に漬けただけあって、たこは柔らかいのですが、とにかく味が複雑すぎるのでたこ上級者向けだと思います。

おまけ:たこの内蔵を茹でたやつ

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おまけですが、たこの下ごしらえをしたときに取り除いた内臓のうち、食べられそうな部分を取り出してよく洗って軽く湯がいて食べてみました。わさび醤油。たこでありながら、内臓っぽい味がしました。

次回までの宿題

おでんをお勧め頂いて、たこ入りおでんは大好きではあるのですが、さすがに真夏におでんは厳しいということで、次回までの宿題にすることにしました。

今年の冬はたこ入りおでんを食べたいと思います。

以上です。

お題「得意料理」

たこ焼きに関する知見のまとめ

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Twitterまとめ

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