うつわの収納について考える
うつわが好きです。気に入ったものを見つけるたびに少しずつ集めていたつもりが、気がつくと食器棚がパンパンになっていました。
そうなってくると、出しやすい場所に置いてあるものばかりに手が伸び、結局いつも同じうつわを使っているという状況になりがち。
「これでは新しいうつわを買っても意味がない。お気に入りのうつわを偏りなく使いたい!」そう一念発起して、食器棚の収納方法を見直してみたところ、以前よりもずっとスムーズに運用できるようになったので、その経過を記録します。
ルール1 よく使うものは手が届く範囲にしまう
マメな人でも、調理中に踏み台に乗ったり、手前のお皿を延々どけてうつわを取り出すのは億劫なものです。日常使いしたいうつわは、踏み台に乗らずに手が届く場所/他のお皿をどけずに取り出せる場所に置きましょう。
この棚の場合、二段目まではぎりぎり手が届きますが、三段目は踏み台が必要になる高さです。そこで、普段使わないもの(お客様用のお茶碗や予備の弁当箱)はまとめて三段目にしまい、一段目と二段目には普段よく使ううつわを厳選して収納するようにしました。
ルール2 収納に余裕を持たせて取り出しやすくする
食器棚はぎゅうぎゅうに詰まっていると機能しません。日常的にうつわを取り出して使うためには、食器棚の中にうつわを動かすためのスペース(余裕)が必要です。
うちのように、食器棚のスペースにもう余裕がない場合、お揃いで複数揃えているうつわについて、家族の人数分を超える部分は別収納とし、取り出しにくい奥のほう/上のほうにしまうことも有効です(写真の一番上)。
例えば、二人家族だけれど、お客様用に全部で五つ揃えている場合には、お客様用の三つは 普段使いするものとは別にして食器棚の上の方にしまいます。来客時にはお皿を上から取り出す手間が増えますが、日常的な食器の出し入れは格段に楽になります。
また、アヒージョやチーズフォンデュ用の、ごくたまにしか使わない、専用のうつわを持っていませんか?わたしは結構持っています…!
こういううつわも、食器棚の上のほうにしまいます(写真一番上)。チーズフォンディをしようと思うときはテンションが高いので、踏み台を持ってきてうつわを取り出すくらいは苦にもなりません。それより、仕事終わりに疲れて夕ご飯を作っているときに、うつわをスムーズに取り出せるほうが重要だと思いませんか?
ルール3 ワイヤー棚で立体的に収納する
棚に高さがある場合、高さの分だけうつわを積み重ねて収納すると、下のうつわを使うために上のうつわをどかす必要があり、結局面倒になって上のうつわばかり使ったり、慌ててうつわを破損してしまうことも。
このような場合、市販のワイヤー棚を使って、積み上げるうつわの数を最小限にする方法があります。重ねるうつわの数の理想は、同じ種類のものを家族の数の分だけ。わたしも徹底できてはいませんが、重ねる数が減ると使う機会は確実に増えます。
ここで使っているワイヤー棚は、「えつこの便利収納ラック」シリーズのペアスタックラックです。これは細部までよく工夫されていて使い勝手がいいです。
このシリーズがすごいと思ったのは、食器棚の棚の下に吊ることができるところ。わたしはこんな風にデッドになりそうなスペースにワイヤー棚を吊って、入りきらなかったお皿を二枚ずつ収納しています。収納したお皿は出しやすく不便ありません。
なお、ワイヤー棚は、無印良品や100円均一のお店でも売っているので、食器棚のサイズと予算に合わせて合うものを選ぶとよいと思います。
こちらはうつわではなく、シンク上にある台所関連道具の収納ですが、二段にすることで作業効率が上がった例です。
ルール4 お皿は立てて収納する
お皿を寝かせて収納すると、よほど広い食器棚がない限り、重ねることになります。重ねた場合、下のほうにあるお皿を使う機会が減ります。
この場合は、立てて収納する方法が有効です。わたしは持っているお皿の半分以上を縦にしました。お皿を縦にすると、とにかく取り出しやすくなります。忘れかけていたお皿の出番が増えました。
ここで使っているお皿立ては、山崎実業の「ワイヤーディッシュラックタワー」です。選んだ理由は置いた状態でデッドスペースが少ないことと、見た目がすっきりしていること。一方で、値段が高いところが厳しい。
これも同じようなものが通販や100円均一で売っているので、自分の食器棚のサイズに合わせて探してみるとよいと思います。
ルール5 豆皿は籠に入れる
豆皿可愛いですよね。いくらでもほしくなってしまいます。でも、困るのは収納。食器棚に並べると散らばりやすく片付かない。割れやすい。
そんな豆皿は籠にまとめて引出しに入れました。引出しを空けると豆皿が全部見えるので、選ぶときも楽しい。ふきんを噛ませているので、破損もしにくい。
ここで使っている籠は、たまたま家にあったものです。引出しに入れてみたらちょうどピッタリでした。新しく買う場合はよくサイズを測ってからお店に行きましょう。
ルール6 カップは吊り下げる
ティーカップ(コーヒーカップ)ですが、スペースの都合上、受け皿もカップも重ねることになりがちです。それでも場所を取るし、取り出しにくい。
どうしたものかと思っていたら、こういう収納グッズを見つけました。上で書いたものと同じ「えつこの便利収納ラックシリーズ」で、「えつこのニューカップラック」です。商品写真は昭和な雰囲気ですが、大変な優れもの。
カップを吊った下の部分に受け皿を置けるので、スペースが節約できる。上に吊ったカップは一番奥を除いて取りやすい。奥の列には普段使わないお客様用の予備のカップをつるすようにしています。重ねた受け皿が若干取りにくいのが課題です。これは何か工夫したいなと思っています。
なお、うちの食器棚はカップラックの高さよりも1cmくらい低く、入らない可能性もあると覚悟して買ったのですが、ワイヤー製なので、手で押すことで1cmくらい低くすることができました。どれくらい調整できるのかは未確認なので自己責任でお願いしますが、一応情報まで。
ルール7 ワイングラスは食卓の近くの棚にしまう
ここまでのルールに従って食器棚を整理したところ、ワイングラス類が丸々収納できなくなってしまいました。既に述べたとおり、使いやすい食器収納には適度な作業スペースが必要なので、収納できる量自体は減ってしまう宿命にあります。
収納できなくなったグラス類(主にワイングラス)は、まとめて食卓の近くの別の棚に入れることにしました。ワイングラスはテーブルに空の状態で置いて使うことが多い=台所で作業する機会が少ないので、台所から遠くても食卓に近ければ不便はないと考えたためです。
今のところ、台所で調理をしながら、食卓の周辺にいる家族(大人)に「ワイングラス出しておいてー」と指示を出すことで円滑にワークしています。どのワイングラスが出ているか、食卓に行くまで分からないサプライズも面白いです。
ワイングラスに限らず、台所に収納しきれなかったうつわは、用途に応じて食卓のそばに収納するのもよいと思います。
おわりに
食器収納の工夫については、以上です。
食器棚はそれぞれ個性があって、うちの棚がちょっと特殊な形状なこともあり、全部は参考にならないとは思いますが、うつわ好きのみなさまのお役に立つ部分があれば幸いです。
ここまで読んで、地震があったら大変なことになるのでは?という懸念を持った方もいるかと思います。わたしは東京在住なのですが、今まで地震で食器に大きな被害を受けたことはありません。ただ、食器についてはどのように収納しても大きな地震が来たらダメなんだろうなと覚悟しています。
また、日常的にうつわを使うにあたって、ちょっとした破損は自分で直せるように、趣味で金継をやっています。(まだ技が未熟なので)プロに頼むようにきれいにはできませんが、うつわが欠けてもそこまでショックを受けずにすむ(特に家族や友人が割ってしまった場合)のと、直した後のうつわにより愛着が湧く点で、うつわ好きにはお勧めしたい趣味です。
過去記事
buchineko-okawari.hatenablog.com
お題「マイルール」