Anovaを買いました
先日むしゃくしゃして買ってしまったAnovaですが、無事に到着しました。筒で届くといううわさだったのですが、うちのは箱入りでした。
開けたところ。内容ですが、本体(中央の筒状の機器)と本体を鍋に固定するための器具のみでシンプルです。コンセントは本体にくっついており、外すことはできません。
操作については、本体についているスイッチを回してもいいのですが、アプリと連動させると簡単です。携帯やタブレット端末経由で簡単にダウンロードでき、Bluetoothで接続して、画面上で温度や加熱時間を設定することができます。アプリは英語ですが、直感的に操作できるので、英語が苦手でも問題なさそうでした。
豚モモ肉を低温調理してみる
届いたらすぐに使ってみたくなり、とりあえず、すぐに手に入った塊肉で試運転をしました。写真は豚モモ肉500gほどです。調理用のタコ糸で形を整えた上で4g(肉の重量の0.8%)の塩をまぶし、ジップロックに入れてから真空状態にしました。
大きめの鍋に水を張り、Anovaとジップロック入りの豚肉を入れます。水と書きましたが、設定する温度に近い湯を入れたら、余熱時間を省けました。Anovaにより水流が発生して流されるので、豚肉の入ったジップロックを洗濯バサミ(しかなかった)で鍋のへりに固定しています。
設定する温度と時間については、豚肉を構成するタンパク質は66度を超えると変質してしまうという説がある一方で、厚生労働省が豚肉を販売する際の加熱殺菌の基準を「中心部について63度で30分以上または75度で1分以上」としているため、タンパク質の変質を最小限にとどめつつ安全性も確保する観点から63度で30分以上加熱することにしました。
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/150602hp_1.pdf
念のため、非接触温度計で測ってみましたが、63.1度から63.6度くらいのレンジに収まっており、Anovaの表示温度はほぼ正確であることが確認できました。
Anovaを使って63度で2時間加熱した豚肉です。
半分に切ってみました。芯まで火が通りつつ、きれいなピンク色で質感もジューシー。なお、低温調理は高温での調理よりもさらに衛生管理に注意が必要なので、まな板は使う前に熱湯で消毒しています。
ここで思い立って、半分を再びジップロックに入れ、63度でさらに22時間(つまり合計24時間)ほど加熱して、できあがりの状態を比較してみることにしました。
加熱時間によるできあがりの違い
左は63度で24時間加熱した豚モモ肉、右は63度で2時間加熱した豚モモ肉。並べてみると、色と質感が大きく違うことがわかります。24時間加熱したほうは薄い褐色でやや水分が抜けて締まった質感、2時間加熱したほうは鮮やかなピンク色でジューシーな質感。
それぞれを薄く切ってソテーしてみました。左が24時間加熱で右が2時間加熱。表面を焼いてしまうともう区別はつきません。下に敷いたソースは、豚を焼いたあとのフライパンに発酵バターとバルサミコ酢を入れて塩で味付けしたものです。
食感ですが、24時間加熱の方は、口の中でほろほろと崩れる柔らかさの反面、ちょっとパサつきがありました。2時間加熱の方は、ジューシーで豚モモ肉なのにほぼパサつきなし。こう書くと2時間加熱の方がよさそうなのですが、24時間加熱のほろほろとした柔らかさはとても食べやすくて、甲乙つけがたいものがありました。
翌日、残りを塊肉のまま表面をソテーして、ブロックに切り分けてみました。ソースは、バルサミコ酢とはちみつを合わせたものに、発酵バターを少し加えた甘くてコクのあるタイプです。
こちらの方が肉の断面がきれいに見えて、低温調理らしさがあるかもしれません。ほろほろした/ジューシーな食感も十分に楽しめました。
豚モモ肉はもともとぱさつきやすい部位で、それをこれほどジューシーに調理できるのはやはり低温調理の長所だと感じました。次は肩ロース肉を使って低温調理叉焼に挑戦したいと思います。
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