豚肉の部位三種類
今日は豚肉です。
今日は晩御飯に豚肉コンフィ3種食べた。肩、肩ロース、ももです。これは、はまる・・・・!!!前はばらで作ってたけど、赤身が多い部位のが◎。そして部位によって全然違う食感。 pic.twitter.com/7yP8HVrqTx
— おかだんご (@oka_dangomushin) 2016年6月29日
おかだんごさん(id:dangomushin)のツイートを見てどうしても試したくなり、豚肉のいろいろな部位を低温調理して食べ比べてみることにしたものです。
これは近隣のスーパーで入手できた三種類の豚肉で、部位は、左上から骨付きロース、ヒレ、手前がもも肉です。他にもあったのですが、週末に食べきれる量との兼ね合いで妥協しました。
ソースは別に作るので、下味をつける意味で、それぞれ重量の0.8%の塩をまぶしてジップロックに入れてから真空状態にします。
豚肉の低温調理の温度と時間
豚肉を加熱する温度と時間については、豚肉を構成するタンパク質は66度を超えると変質してしまうという説がある一方で、厚生労働省が豚肉を販売する際の加熱殺菌の基準を「中心部について63度で30分以上または75度で1分以上」としているため、例によって、タンパク質の変質を最小限にとどめつつ安全性も確保する観点から63度で30分以上加熱することにしました。具体的には、63度で1時間加熱しました。
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/150602hp_1.pdf
ここからなのですが、このような記事を読みまして、簡単に言うと豚肉を殺菌可能な温度で加熱した後、55度(牛肉のステーキをレアに仕上げる程度の温度)で12時間以上加熱すると、タンパク質の変質を最低限に保ちつつ食感を変えることができる(とても柔らかくなる)というもの。
以前に豚肉を63度で2時間加熱したものと24時間加熱したものを比較した際には、24時間加熱したほうは、豚肉とは思えないほど柔らかかったもののちょっとパサつくという結果になりました。 途中で温度を下げることでパサつきを抑えつつ、柔らかさだけを取ることができるなら、12時間以上の加熱をするモチベーションが上がります。
というわけで、比較用にヒレ肉を半分だけ取り置いて、残りの肉(入りジップロック)は引き続き55度で12時間加熱しました。
低温調理が終わったところです。右側のヒレ肉は上が55度12時間加熱をしたもの、下がしていないものです。見た目はほとんど変わりません。
香ばしさを加えるため、薄く油を敷いたフライパンで表面を焼き付けます。骨付きロースは脂身部分を重点的に焼いてみました。
余談ですが、このフライパンはturkのもので、重いけれど分厚くて肉を焼くなら最強です。柄が長いタイプをよく見かけますが、個人的にはグリルパンのほうが底が広くそのままオーブンにも入るので使いやすいと思います。
豚肉のいろいろな部位食べ比べプレート
完成です。シンプルに部位ごとにスライスしました。付け合せはチーズの入ったマッシュポテトです。
ちょっとアップ。全体的に瑞々しさを保ったまま、きれいなピンク色になりました。食感ですが、一番好きだと思ったのはヒレ肉(右上)。柔らかくて噛みしめるとじゅわっと旨味が溢れてくる感じ。骨付きロース(下)は、豚肉の脂って美味しいと実感する味わい。モモ肉(左上)も美味しかったのですが、この段階ではちょっとパサつきを感じました。ただ、パサつきについては時間が解決する部分があり、この点は後述します。
さて、比較のために二種類の火入れをしたヒレ肉です。上が63度1時間加熱、下が+55度12時間加熱です。質感としては、短時間加熱(上)のほうが若干ジューシーに見えます。
実食したところ、見た目通り、ジューシーさは若干短時間加熱のほうが強い。ただ、歯ごたえが全然違う。長時間加熱のほうが断然柔らかい。短時間加熱のほうはぐっと噛みちぎる感じになるのですが、長時間加熱は口触りは豚肉なのにそのあとなんのストレスもなく、口の中で解けてしまう感じ。一度食べるとくせになります。端的に言ってすごくおいしい。
ところで今回は二種類ソースを用意しました。
右は以前にも作ったマディラ・ソース。マディラ酒の甘い風味が豚肉にも合います。マディラ酒とフォン・ド・ボー(うちは小分けで冷凍しています。)さえ揃えてしまえば、あまり手間なく作れるのでお勧め。左は、ハニーマスタードソース。マスタードとはちみつと醤油を1:1:1で混ぜただけなのですが、これも肉に合う簡単ソースです。まずはそのまま食べて、しばらくして二種類のソースを交互につけて食べて…としていると延々とループして大量の豚肉を食べてしまう仕組みです。
豚モモ肉は一晩寝かせる
前日パサつきが気になった豚モモ肉ですが、丸一日冷蔵庫で寝かせたところ、見違えるほどしっとりとした質感に。以前から豚モモ肉チャーシューは長めに寝かせるようにしていたのですが、豚モモ肉には加熱後に休ませる時間が必要なようです。
茹でたいんげん、揚げなすと揚げピーマンを添えて。
夕ごはんの全景です。
この日は前日に作った二種類のソースの他に、醤油麹とすりおろし玉ねぎを使ったドレッシングも添えました。醤油麹については、また別の機会に記事を書きたいと思います。
2017年2月26日加筆
buchineko-okawari.hatenablog.com
豚肉の部位ごとの加熱については、その後こんな記事も書きましたので、ご参照下さい。
過去の低温調理に関する記事
buchineko-okawari.hatenablog.com
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