ヘルシンキの街歩き
さて、3日目です。連日好奇心に負けて食べ過ぎのため、朝ごはんは控えめに、昨日残ったハムとサラダとStockmannで買ったパンと淹れたての珈琲。フィンランドのラズベリーは味がとても濃くて、ヨーグルトにラズベリーだけをのせて食べるのがとてもおいしかった。
この日は月曜で開いているお店も多いため、街をぶらぶら散歩することにしました。まず徒歩で向かったのは、ヘルシンキ中央駅。三台並んでいるのは券売機です。
ここで公共交通機関の1日乗車券を買いました。「トラム(路面電車)、バス、地下鉄、近郊電車、そしてスオメンリンナ行き市営フェリー」が1日乗り放題で8ユーロ。公共交通機関を利用して市内観光をするならば、お得だと思います。
カンピ礼拝堂
はじめに訪れたのは、カンピ礼拝堂。この不思議なフォルムの建造物の内部が礼拝堂になっています。
内部は静謐な雰囲気。外観そのままに天井は高く壁はゆるやかなカーブを描き、やわらかな光に照らされています。
ここのろうそくは細くて山吹色でした。
デザイン・ディストリクト・ヘルシンキ
次に向かったのは、デザイン・ディストリクトと呼ばれるショッピング地区。ディアナプイスト公園を中心に、ファッションや家具、食器などを扱うお店が200店以上も集まっています。どのお店もハイセンスなので、ウィンドウを覗くだけでも楽しい。
シックなジュエリーショップ。
めちゃくちゃかわいいワンピースが並ぶ古着屋。
この界隈にて、ヘルシンキで買い物をする際の必需品である「買い物したものを入れるトートバッグ」を買いました。ヘルシンキでは買い物をしても使い捨ての袋をもらえないことがほとんどなので、エコバッグ代わりにこの後とても重宝しました。
老舗カフェ・エクベル(EKBERG)。隣のビルにあったはずのレストランは改装中でパン屋兼用のカフェだけが営業していました。
エスプラナーディ公園を望む"レストランサヴォイ"
ヘルシンキの街の中心部にある細長い形のエスプラナーディー公園。緑が豊かで、立ち並ぶベンチには日光浴を楽しむ人々が鈴なり。花の咲き乱れる美しい公園です。
このエスプラナーディ公園を見渡すビルの上層階にある老舗レストラン・サヴォイ。建築家アルヴァ・アアルトによるデザインで有名です。今日のランチは、憧れだったこちらで。
日当たりのよいテラスに通されて、とても気持ち良かったのですが、屋内のテーブルの雰囲気もまた素敵でした。
スパークリングワインで乾杯。そして、三種類のパンがどれも罪深い美味しさ。「胃腸を大切に」モードのはずなのに、ついパンをお代わりしてしまう…。
前菜は、牛肉のカルパッチョ。酢漬けのきのこやハーブがかかっていて、不思議なおいしさ。お肉が口の中でとろける。黄色いのは多分卵の黄身を卸したもの(と聞いた気がする)。
メインはサーモンのロースト。ロースト野菜添え。このサーモンの焼き具合が絶妙で、表面はカリカリ香ばしくて中はふんわり。特に皮の香ばしさがたまらなく美味しい。ソースも美味しい。本当にフィンランドに来てから何もかもおいしいと言わざるをえない感じ。
デザートはブルーベリーのタルト。タルトと言うよりアーモンドクリームの焼き菓子という感じですが、ブルーベリーの味が濃くて、焼かれたベリーと生のベリーのコントラスト、さっぱりしたジェラートとの相性、見た目の可愛さと非の打ち所がない。
店員さんもとても親切で感じがよく、夏の午後の優雅はひとときを存分に楽しむことができました。
のんびりランチのあとは、すぐ近くにあるアカデミア書店へ。
こちらも建築家アアルトによる設計。内装も素敵なのですが、フィンランド料理の本がものすごくたくさん置いてあり、見応えがあります。だいぶ目移りした後に、英語で書かれた初歩的なフィンランド料理の本を、自分用のおみやげとして一冊だけ買いました。
地下鉄にてハカニエミ市場へ
次の目的地へは地下鉄で。洞窟のように見えますが、地下鉄の通路です。壁が洞窟風にデコレーションされており、ところどころにそれらしいイラストレーションまで施されています。
エスカレーター付近まで行くと、いきなり近未来な様相に。
ドキドキしながら進むとホームは普通でした。通路や社内も含めて、ヘルシンキの地下鉄は全体的に清潔で治安もよく、使いやすい交通機関だと思います。
地下鉄で向かったのは、ハカニエミ市場。ヘルシンキ市民の台所と呼ばれているそうです。
中にはぎっしりと専門店が。こちらは肉屋。鹿肉やラム肉なども含め、かなりいろいろな種類のお肉がありました。
こちらはパン屋。パンも個性豊かで日本では見たことのないものばかり。しかもどれも美味しそうすぎる。
八百屋までも不思議におしゃれな雰囲気なのはなぜだ。こちらではハーブ類ときのこ類が特に種類豊富でおもしろかったです。
二階はお土産物屋になっています。写真は毛皮加工のお店。他にアンティークショップも二つほどあって、わたしはお目当てのお店が別にあったので買いませんでしたが、品揃えはなかなか悪くなかったです。
海辺のサウナ"Löyly"
夕方以降は、フィンランド名物でもあるサウナを楽しみました。訪れたのは、2016年に新しくオープンしたばかりの海辺のサウナ"Löyly" ヘルネサーリ地区にあり、利用にはインターネットなどで時間を予約する必要があります。この建物がとにかくシンプルでおしゃれ。居心地もとてもいい。
サウナにはカジュアルなレストランが併設されているので、先に腹ごしらえを。この日は雨が降っていたのでテラスが使えず、中はかなり混み合っていました。
ヘルシンキで初めて食べるハンバーガーと山盛りポテト。ハンバーガーの中身は白身魚で、あっさり目でおいしい。他にサーモンスープも食べました。
サウナには海に面したテラスが併設されており、晴れていれば、外で食事をしたりお酒を飲むこともできます。
サウナは水着着用です。サウナ内部の写真はないのですが、男女別の更衣室、普通のサウナとスモークサウナの二種類のサウナの他に、薪の暖炉が設置されたロビーがあり、サウナの合間に体を暖めながら椅子に寝そべって海を眺めることができます(すごく気持ちがいい。)。さらに、そこでビールを飲むこともできてしまいます。
写真は、サウナから海につながる階段です。地元の人たちは、サウナでぎりぎりまで汗をかいたのち、ここからざぶんと海に飛び込んだりするのです。この日の水温は6度。わたしもおそるおそる足を海水に浸けてみたところ、冷たい中にも爽快さがあって、サウナで滝のような汗をかいたこととも相まって、ここまでの旅の疲れがすっかりリセットされたようなリラックスした気分になったのでした。
さっぱりした後に、再びレストランにて白ワインを補給。
すっかりサウナ文化のとりこになりつつ、3日目の夜は更けていったのでした。
北欧旅行