三島広小路駅近くのつばさ寿司で釣りたて魚の握りランチ
9月上旬に静岡に行ってきました。週末を使った一泊旅行です。静岡の三島にはちょっとした縁があり、数年前に仕事で定期的に通っていた場所なのでした。その頃はとにかく忙しくて、新幹線が来るまでのちょっとした時間に駅前でぱぱっと鮮魚を食べるくらいしかできなかったので、今回は腰を据えておいしいものを食べたいと思います。
初日の朝は、東海道新幹線こだま号に乗って三島へ。所要時間は東京駅から55分くらい。さらに伊豆箱根鉄道に乗り換えて一駅の三島広小路駅へ。
駅徒歩数分の商店街にあるつばさ寿司。三島と言えばうなぎが有名ですが、漁港が近いだけあって魚もとても美味しいのです。
冷酒と上にぎりを注文。12時前だったのですが、お店はカウンターも含めてほぼ満席。東京からの観光客と地元のお客さんが半々くらいのようでした。最初に出てきたのは、ネギトロ巻。ボリュームもたっぷり。
その後にやってきた握り。地の魚が中心とのこと。シャリはちょっと大きめで東京の江戸前寿司ほど洗練されてはいませんが、とにかく魚が新鮮でおいしい。特に右奥二番目は、大将が今朝自ら釣ってきたアオダイだそう。お店の雰囲気もよく、幸先のよい旅のスタートになりました。
駿河湾に浮かぶレトロシックな淡島ホテル
お昼を食べてから三島駅まで戻り、予約していた送迎バスへ。今夜の宿は、駿河湾に浮かぶ無人島に立つ淡島ホテルです。三島駅からは送迎バスに乗り、さらにフェリーに乗り継いで向かいます。
AWASHIMA HOTEL / 淡島ホテル 〜世界遺産の富士山を望むホテル〜 静岡県沼津市
1991年に建設された淡島ホテルはバブルの象徴とも言われた高級リゾートホテルで、当時は会員制でしたが、今は一般に開放されています。設備は少し古いところもありますが、建物には風格があり、美しい。
ホテルの外縁に設置されている真っ白なソファ。のんびりと海を眺めることができます。釣りに来ているお客さんも何組か見かけました。
メインダイニング。リゾート然とした佇まい。沖縄で泊まったブセナテラスにも雰囲気が少し似ていました。
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客室は建設された年代の割には広めで、バルコニーからは芝生の庭と海が見渡せます。
部屋のお風呂は湯船から海が見える仕様で開放的。他に大浴場があり、そちらの露天風呂も海に浮かんでいるようなつくりで、とにかく開放感に溢れていて、海べりの休暇を満喫できます。
お部屋で軽く昼寝をし、大浴場で気持ちよく汗を流したのち、藍色の夕暮れに見送られながら夕ご飯に出発です。
てんぷら成生のカウンターで絶品の天ぷらを味わう
てんぷら成生は、静岡駅から徒歩10分ほどの場所にある落ち着いた佇まいのお店です。だいぶ前から予約をしてくれていた友人とここで合流。飛騨檜だという一枚板の重厚なカウンターの向こう側では、銅鍋の中でてんぷら油がゆっくりと温まっていました。
最初の一品は、御前崎のヒラメ。左がおつくりで、右はさっと油通しした後に炙ったもの。おつくりも当然美味しいのですが、油通しをしたものの、とろりとした食感が絶妙。有東木産山葵がきりりと爽やかに辛くて、この先に期待が高まります。
太刀魚はポン酢と大根おろしで。目の前で揚げたての天ぷらはとにかくサクサク。
鱗付きの甘鯛。絶妙の揚げ具合で口に残ることもなく、香ばしく頂けます。
揚げたはしから手渡されたのは、ヤングコーン。髭もそのままさくっと揚げられていて、食感がとてもおもしろい。本体はじんわりと甘い。
塩でいただくメゴチ。さっぱりとした白身ながら旨味が深い。
じっくり時間をかけて揚げられた玉ねぎは、甘みと香ばしさのバランスにアクセントの塩味が絶妙。他の調理法では出せない、天ぷらならではの美味しさ。
素晴らしい天ぷらの連続に興奮しすぎた私たちをクールダウンさせるような箸休め。浜名湖で採れるどうまん蟹に、みずの実とアスパラの和え物。みずの実はちょっとぬるっとした食感がおもしろく、どうまん蟹は滋味深い。箸はそれほど休まりませんでした。
続いてやってきたくりカボチャは、生のまま1ヶ月以上寝かせているそうで、くりのような甘さと香ばしさが渾然一体となって、今まで食べたかぼちゃの中で一番美味しかった。
ワタを挟み込んだ秋刀魚の切り身。ほろ苦い大人の味がたまらない。
二種類の茄子に、目の前で削ったばかりの鰹節と醤油をかけて。鰹節がたまらなく美味しく、揚げてなお瑞々しい茄子を引き立てていました。
入店直後から鍋でゆっくりと揚げられ続けていたメイクイーン。ほくほくと香ばしい。そろそろお腹は膨れてきているのに、美味しすぎて食べるのをやめられない。
小さめの穴子を目の前で丸の状態から捌き、そのままカラッと揚げて頂きました。二つに折って、一つはおろしポン酢で、もう一つはマルドンの塩と山葵で。どちらの組み合わせもおいしすぎた。
締めは、天丼か天バラかと問われ、耳慣れない天バラに。天バラとは、かき揚げの天ぷらを炊きたての白飯に混ぜたのち、出汁を注いで食べる、かき揚げ入りだし茶漬けのことだそう。もうお腹はいっぱいなのに、海老入りのかき揚げと炊きたてご飯、わさびと出しの美味しさの相乗効果で箸が止まらない。お腹が苦しいけど、幸せ。
デザートは、静岡産のいちじくにぱらりと塩をしたものと静岡茶。蜜が詰まったような上等ないちじくに、ほんのちょっとの塩が利いていました。
実はこの日は台風の直後で仕入れが厳しく、海老を筆頭とする魚介類がほとんどお店になかったとのこと。それをカバーするために、地の野菜などでいろいろ工夫して下さったそうなのですが、そんなハンディを感じさせない完璧なコースで大満足でした。
また静岡で夜ご飯を食べるチャンスがあれば、絶対に立ち寄りたいお店になりました。
目の前でプロの技を堪能できるところも魅力。
満腹になりすぎたせいもあり、お店でだいぶのんびりしてしまい、帰りは最終の新幹線へ飛び乗って三島へ。ホテルに戻ってからは部屋の湯船に使って、夜の海を眺めながらのんびりと体を休めて翌日に備えました。
三島のうなぎ桜家
翌朝。淡島ホテルでゆっくりビュッフェの朝食を取るという選択肢もあったのですが、別行動の友人が11時から三島の桜屋の予約を取ってくれたので、胃の調子とも相談し、朝食はなしで三島の駅へ向かうことに。
三島駅周辺を散歩しながら11時に到着すると、お店の前には順番を待つお客が行列をなしていました。予約をしてくれた友人に感謝しつつ、すんなりと二階のお座敷に。
持っていたクーポンでサービスして頂いた骨揚げ。カリカリと香ばしくて美味しい。
白焼きを経て、うな重(二枚)へ。ふっくらつやつやで神々しい。なお、お座敷にびっしりお客さんが入っているのにオペレーションは非常にスムーズで、ほとんど待たずにうな重が提供されました。大量のお客をさばき慣れている感じがすごい。
そして、うな重は柔らかい中にも香ばしくて、さすがの美味しさ。絶滅危惧種であるうなぎを気軽に食べたいとは思わないし、スーパーで安く売っているものを買うこともしませんが、ときどきこうして上等なものを適量食べられるようにあってほしいなと思います。
三嶋大社に参拝
お腹がくちくなったあとは、散歩がてら三嶋大社へ。
祭神は、大山祇命と積羽八重事代主神(恵比寿様)の御二柱。山森農産と福徳の神様です。
桜の名所としても有名ですが、この時期は柳の緑が美しく、建物の赤によく映えていました。
三島市立公園 楽寿園にて、SLとミニブタと楽寿館を見る
さらにもう少し歩いて、三島市立公園楽寿園へ。楽寿園は大人一人300円の入場料が必要な公園で、中には、SL展示、動物園、子供向けの乗り物広場や楽寿館(小松宮彰仁親王の別邸)があり、いろいろな施設を思い切って一つにまとめてしまったという感じの施設です。
SLは自由に中に入ることができ、黒光りしてなかなかかっこいい。しかもポケモンGOのジムになっているため、周辺をうろうろしている人もいました。
動物園は意外と本格的で、アルパカやポニーやミニブタが飼育されており、子どもがモルモットなどと触れ合える場所もありました。わたしはミニブタの忙しない可愛さに心を打たれて動画を撮ったので、お時間があるときに見て頂きたいです。
撮影禁止だったため、写真がないのですが、楽寿館(小松宮彰仁親王の別邸で静岡県指定文化財)の内部の見学ツアーがとてもよかったです。決まった時間に楽寿館前に集合すると、無料で職員の方に館内を案内していただけます。所要時間は30分ほど。
どのようなこだわりでこの邸宅が作られたのか、説明を一つ一つ伺うと、素人がなんとなく見て回るのとは情報量が全く違い、感銘を受けることばかり。
邸宅の二階から見下ろす小浜池は雄大で、今は数年に一度しか水が満ちることがないそうなのですが、いつかその風景を見に再び訪れたいなと思いました。
これまでの旅の記録
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