おうちで餃子を作りたい
先日、おいしい餃子を食べました。
めちゃくちゃおいしい餃子を食べた。皮がモチモチで肉汁がジュワッとするやつ。焼き方を聞いたらテフロンとのことなので、テフロンのフライパンを買わなくてはならないことになった気がする。 pic.twitter.com/M6n56KYbJy
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) January 16, 2017
乃木坂にある蓮月というお店です。肉汁が溢れる焼き餃子の他、ラム肉とパクチーの水餃子も、麻婆豆腐もおいしかった。大満足でした。
おいしい餃子を食べたら、久々に自分でも作ってみたくなって、せっかく作るなら定番のレシピがほしいなと思い始め、いろいろあったのですが、以下はその記録です。
餃子を概念図で整理しよう
さて、そもそも「餃子」とは何なのか。その答えを知るために概念図を作ってみました。冗談です。この記事を書くにあたり、頭を整理するために小林銅蟲『めしにしましょう』を真似て概念図を書いてみました。
これによれば、餃子とは、ミンチにした肉をベースにした餡を小麦粉で作った皮で包んで加熱したものだということになります。ということで、順番にやっていきたいと思います。
2巻も発売されましたね。
餃子の皮を作る
まずは餃子の皮を作ります。いくつか試したのですが、わたしは強力粉に上新粉をちょっとだけ加えるレシピがもちもちとして扱いやすくてよかったです。
分量としては、強力粉240g、上新粉(米粉)15g、塩少々と熱湯120cc。あと、菜箸を2膳(すなわち4本)用意しておきます。
強力粉と塩を入れたボウルに熱湯を注ぎ、間髪入れずに菜箸でぐるぐるとかき混ぜます。菜箸を使うのは単純に熱いから、そしてこの段階でグルテンを出しすぎない工夫だと思われます。熱湯の量は季節や天気により微調整するとよいということになっています。かき混ぜているとモロモロした雰囲気になるので、人肌に冷めていることを確認した後、上新粉を加えてさらに混ぜます。
全体が混ざったら、手でぎゅうぎゅうとまとめて、ボウルから取り出してこねます。台の上でこねてもいいのですが、ジップロックなどに封入してバスタオルで包んだ上で足踏みでこねてもいいと思います。そのほうが楽ちんです。
こね続けると生地は段々固くなってきます。表面が滑らかになり、こねるのがつらいくらい生地が締まったら、ボウルなどに入れてしばらく寝かせます。寝かせる時間は最低30分ほど、都合があれば一晩おいても問題ありません。
寝かせている間に、肉餡を作りましょう。
肉汁がじゅわっと溢れる肉餡を作ろう
皮を噛むとじゅわっと肉汁が溢れ出す餃子が理想なのですが、作り方としては、肉餡を作るときに鶏ガラスープをたくさん練り込むということに尽きると思います。
分量(およそ36個分)ですが、豚ひき肉300g、鶏ガラスープ150cc、生姜1かけ(みじん切り)、長ネギ2cm(みじん切り)、味付けは、醤油小さじ2、砂糖小さじ1/2、ごま油小さじ1、酒大さじ1、胡椒少々です。鶏ガラスープは顆粒でも問題ありませんが、冷ましておきましょう。
豚肉はひき肉でもいいですが、塊肉を買ってフードプロセッサーでミンチにすると気分が盛り上がります。そこにみじん切りの生姜と醤油、砂糖、酒を投入して、全体的に粘りが出るまでよく混ぜます。
さらに、4回に分けて鶏ガラスープを混ぜ込みます。1回ごとに全体が馴染むまでよく混ぜて、水分を入れ込みます。
鶏ガラスープがすべて肉に吸収されたら、長ネギ、ごま油と胡椒を投入して、全体を更に混ぜます。
水分でゆるくなっているけれど、分離はしていない状態でできあがり。このまま、冷蔵庫で一晩寝かせて落ち着かせます。一晩置くと餡がぎゅっとしまって包みやすくなります。保管しているうちに水分が分離してしまっても、全体を混ぜ合わせれば問題ありません。
皮で肉餡を包む
翌日。まずは皮を仕上げます。今回は36個作る予定の分量で、寝かせてあった皮を3つに切ります。
うち一つを取り出して細長く伸ばして、12等分します。このとき、乾燥すると扱いにくくなるので、残りの2つの生地やすぐに使わない生地はラップで包んでおきましょう。
1個分ずつに切った生地は綿棒で伸ばします。目安は8〜9cmくらい。最初はいびつですが、慣れると丸く伸ばせるようになってきます(写真は割と序盤)。
この作業はパスタマシンで行うこともできます。パスタマシンを使うと厚さが均一になるので売っている皮っぽくなる。また、慣れない人に餃子の皮を丸く伸ばす作業をしてもらうのは結構大変なので、餃子パーティーを催すときなどによいかもしれません。
うちのは物々交換(旧型ルンバと)した古いものなのですが、結構使っているので新しいのを買いたい気持ちがなくもない。
伸ばした皮はセルクルで抜きます。うちは7cmのしかなかったので小さめになりましたが、9cmくらいあるとちょうどいい気がする。
伸ばした生地の周囲に水を塗って、中央に餡をのせて包みます。写真は水餃子用の丸っこいもの。
こちらは焼き餃子用のスタンダードなもの。包んだ餃子はクッキングシートの上に置くとくっつく心配がなくてよい。また、表面が乾燥しやすいので、包み終わったものにはラップをしておくとよいです。
すぐに食べないときは冷凍もできます。クッキングシートを敷いたバットに重ならないように餃子を並べて冷凍庫に入れ、表面が凍ったところでジップロックに入れ替えて保管すると食べたい量だけ簡単に取り出せてべんり。
餃子を焼く
餃子の焼き方については、様々な方法がありコツもあるのですが、今回は時間の関係で省略します。各自ググってください。わたしはリバーライトの鉄フライパンでやっていますが、プロでもテフロンを使っている事例は多く、失敗なく焼くならテフロンがいいのではと思っています(近いうちに買う。)。
カリッと焼けていればよいという立場です。
餃子のタレは、自家製ラー油に中国濃口醤油を垂らしたもの、そして米酢と黒胡椒です。こってりいきたいときはラー油、さっぱりのときは米酢と使い分けます。
というわけで焼きあがった餃子ですが、小籠包のように中にスープがたっぷり詰まっていて、一口噛むとじゅわっと溢れてきます。やけど注意。これを家で食べられるならわたしは満足です。
餃子を茹でる
水餃子は、ぐらぐらと沸かしたお湯に餃子を投入し、浮かび上がってくるまで茹でるだけ。鍋の底にくっつかないように投入したらしばらく湯をぐるぐるかき混ぜるとよいです。お皿に盛るときは、予め鶏ガラスープの顆粒を入れておき、茹でた際のお湯に少し風味付けしてもよいと思います。
皮がもちもちっとして、中からスープがじゅわーっときます。同じ皮と同じ餡でも焼くと茹でるのでは味が違って感じる不思議。余裕があれば、二種類作って食べ比べることをおすすめします。
クミンが香るラムトマトクレソン餃子
さて、肉餡のバリエーションをもう一つだけ。クミンの香るラム餃子です。ラムは200gほど、フードプロセッサーでミンチしておきます。
そこに、すりつぶしたクミン小さじ1、生姜1かけ(みじん切り)、醤油(あれば中国濃口醤油)小さじ2、砂糖小さじ1/2、ごま油小さじ1、紹興酒大さじ1を加えて、全体をよく練ります。
練ったところ。この餡は水分少なめなので寝かせても寝かせなくてもどちらでも。
ここに小さめのトマト1個を湯剥きして、中の種を取り除いてから1cm角に切ったもの、クレソンひと束をざく切りにしたものを加えて、さらに混ぜ合わせます。ちなみに、パクチー好きな方はここのクレソンをパクチーにしてもよいです。
皮の作り方は同じ。トマトやクレソンがゴツゴツしているので、包む難易度は普通の肉餡よりも高いかもしれません。でも、おうちで食べる餃子なので、調理中に分解さえしなければなんとでもなります。気楽にやりましょう。
ということで、焼き上がり。
普通の肉餡のようにスープは入れていないのですが、加熱したことによりトマトから出た水分にラムの旨味が溶け出して、結論としては噛むとじゅわっと肉汁っぽいものが溢れ出る餃子になります。ラムの風味の中にほのかにクミンが香り、しかもジューシー。
ラムトマトクレソン餃子は水餃子も合います。同じくトマト由来のスープがじゅわっとやってくる。この餃子については、個人的には水餃子のほうが好きかもしれない。
ラム餃子の日は、ちょうど豚トロ醤油麹漬けをやった日と同日だった。
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今後の展望ですが、この二つの餃子をベースにして、もう少しバリエーションを増やしつつ、餃子会など開催できればいいなと考えています。
今日のところは、ここまでです。
参考文献
餃子を作るにあたり参照した文献です。
かんたんdancyu 餃子の手帖―おいしいコツとワザ、あります! (プレジデントムック)
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2015/08/21
- メディア: ムック
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レシピとして一番参考になったのは、dancyuの「餃子の手帖」。名店のレシピがいくつも紹介されており、好みのタイプの餃子を作るには何をどうすればよいのか、検討しやすい。ウー・ウェンさんの「北京小麦粉料理」は餃子以外にも小麦粉を使った料理が多数紹介されており、料理好きならワクワクする本。小麦粉さえあれば、なんでも作れるんだなという気分になる。あとの二冊はレシピも載っていますが、基本的には餃子にまつわる読み物として楽しいものです。
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