1月から「このマンガがすごい!」WEBのアンケートに参加しているのですが、継続は力なりということで、ツイッターで随時つぶやいている感想をこちらにもまとめておきます。
1月と2月分はこちら
buchineko-okawari.hatenablog.com
2017年3月に読んだ漫画
1. 海野つなみ『逃げるは恥だが役に立つ(9)』
海野つなみ『逃げるは恥だが役に立つ(9)』逃げ恥も遂に完結。恋愛と結婚を日常の一部として冷静に捉えようとした物語の着地は、感情と理性のさじ加減が絶妙で読者の期待にも応える理想的なものになったと思う。特に百合&風見カップルの番外編は萌え死ぬので必見 #201703の漫画 #51
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年4月4日
逃げ恥の完結刊は期待を裏切らない素晴らしい着地だったと思う。以前からのファンとしてはこんなに理屈っぽくて冷静なマンガが、ドラマ化されたのみならず、社会現象にまでなったことに驚きを隠せずにいます。
海野つなみの漫画はほかもおもしろいので、逃げ恥が気に入ったら是非挑戦してもらいたい。
2. 四谷啓太郎『悪魔のメムメムちゃん(2)』
メムメムちゃんの好きなところは、失敗しても絶対自分を責めないところ、健気に努力しないところ、人を頼るのが上手なところ、褒められたら全力で調子にのるところ。肩肘張らずに生きていくための基本ができている感じ
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年4月5日
メムメムちゃんは最&高なので、今いろいろつらい人、退屈な人はぜひ読みましょう。
3. 五十嵐大介『ディザインズ(1)(2)』
五十嵐大介『ディザインズ(1)(2)』遺伝子操作により人化され軍事利用される動物たちを巡る壮大な陰謀と策略を描くSF譚。生命の美しさと世界の残酷さを圧倒的な筆致で描き、あっという間に物語に飲まれてしまう。傑作の誕生に立ち会っている予感がする。 #201703の漫画 #54
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年4月4日
移動中の機内で読んでいて、ふと顔を上げたときに自分がどこにいるのか一瞬わからなかったほど引き込まれた作品。なぜ今まで出会わなかったのか不思議。ひりつくような残酷さを通して本当に美しいものが見えてくる。
4. 大武政夫『ヒナまつり(12)』
大武政夫『ヒナまつり(12)』宇宙から来た謎の生命体ヒナとなぜかヒナの面倒をみることになったヤクザ新田を軸にしたシュール系ギャグ漫画。もう12巻なのにマンネリにならず、お約束をきっちり踏まえた上で斜め上を行く面白さを常にキープしているのがすごい。#201703の漫画 #55
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年4月19日
特筆すべきは、一人ずつのキャラ設定が絶妙なこと。そして刊が進むごとにそれぞれ成長して、より訳の分からない方向にエスカレートしていく。抜群の安定感で心の底から笑わせてもらえる。
5. タヤマ碧『氷上のクラウン(1)(2)』
タヤマ碧『氷上のクラウン(1)(2)』ジュニア選手を主人公にフィギュアスケートをめぐる氷上の戦いを描くスポーツ漫画。フィギュアの技や採点の仕組みが詳しくかつわかりやすく勉強になる。絵も美しくキャラも魅力的なのでこの先がとても楽しみ。 #201703の漫画 #57
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年4月19日
6. ろびこ『僕と君の大切な話(2)』
ろびこ『僕と君の大切な話(2)』朴念仁の東くんと彼に恋する相沢さんが駅や学校のベンチで男女のディスコミュニケーションについて語り倒すラブコメディ。と言ってもさして理屈っぽくはなく、東くんがゆっくりと恋に落ちていく過程を観察している感覚で楽しめる。 #201703の漫画 #58
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年4月19日
『となりの怪物くん』の作者ろびこの最新作。一見普通の学園ラブコメディだけれど、ステレオタイプやご都合主義に陥らないよう注意深く構成されたストーリーは大人が読むにも十分な完成度になっていると思う。
7. 信濃川日出雄『山と食欲と私(1)』
信濃川日出雄『山と食欲と私(1)』単独登山が趣味のOL日々野鮎美の山メシの数々を紹介する登山グルメ漫画。「マンガ食堂」の再現を見て気になっていました。料理はシンプルなものが中心ですが、山で食べると美味しいだろうなと想像できて登山に興味が湧いてくる。 #201703の漫画 #59
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年4月19日
8. 熊倉献『春と盆暗』
熊倉献『春と盆暗』 ちょっと不思議な雰囲気で不器用な恋愛を描いた短編集。現実と空想の間を行き来しつつも、最後はちゃんと地上に着地する。その匙加減が絶妙だった。#201703の漫画 #60
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年4月19日
9. 梅田阿比『クジラの子らは砂上に歌う(9)』
梅田阿比『クジラの子らは砂上に歌う(9)』 新天地アモンロギアに到着した泥クジラの民の新たな運命。一人一人のキャラクターを丁寧に掘り下げて物語が佳境に差し掛かっていることを感じる。第21回手塚治虫文化賞マンガ大賞最終候補、秋にはアニメ化とのこと。 #201703の漫画 #61
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年4月20日
このタイミングでアニメ化とは、あと1巻くらいで完結するのか、キリの良いところまでやるのか。そろそろ完結かもしれないという予感もします。
10. 石塚真『BLUE GIANT(10)』
石塚真『BLUE GIANT(10)』全くの素人からプロのサックスプレイヤーを目指す宮本大が世界的な奏者になるまでを描く。ピアニスト雪祈とドラマー玉田をめぐる国内編は本巻で一段落。予想していたけれど衝撃的な結末。でもこの物語を読めてよかったと思う。 #201703の漫画 #62
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年4月20日
巻末に収録されている、将来の登場人物たちへのインタビューの内容からこんな結末がくるのではないかと予想できていたけれど、それでもこのバンドメンバーの成長をもう少し見ていたかった気持ちがある。でも、まだもう少しと思っているうちに失われることにこそ意味があるようにも思う。
楽器の演奏シーンの、まるで紙面から音楽が流れ出すような迫力はさすが。
11. おがきちか『Landreaall(29)』
おがきちか『Landreaall(29)』中世ヨーロッパ風の異世界が舞台の本格ファンタジーの29巻。緻密な世界観、魅力的な登場人物、張り巡らされた伏線と隙のないストーリー。どれをとってもお勧めとしか言えない。ファンタジー好きはぜひ読んでほしい。#201703の漫画 #63
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年4月20日
時間があるので長編を読みたいと思ったときにはぜひ手にとってください。
Landreaall: 29【イラスト特典付】 (ZERO-SUMコミックス)
- 作者: おがきちか
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2017/02/25
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
12. 大今良時『不滅のあなたへ(2)』
大今良時『不滅のあなたへ(2)』"フシ"という名前を得た地球外生命体は、勇敢で優しい少女マーチと過ごすうちに新たな知識を獲得する。やがて訪れる別れと新しい謎。命の美しさと切なさを丁寧に描いて、続きに期待が持てる。 #201703の漫画 #64
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年4月20日
13. 五十嵐大介『ウムヴェルト 五十嵐大介作品集』
五十嵐大介『ウムヴェルト 五十嵐大介作品集』"未確認生物" をテーマにした短編集。「ディザインズ」の原案となった作品も含むが、絵の美しさストーリーの緻密さはそのままに、より優しい世界を描いているように感じた。世界の美しさを感じたいときにお勧めします。#201703の漫画 #65
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年4月20日
今月はここまでです。
2017年5月のこのマンガがすごい!月刊ランキング