1月から「このマンガがすごい!」WEBのアンケートに参加している関係で、ツイッターで漫画感想をつぶやいていたのですが、しばらく忙しくて力尽きてしまっていました。
この記事も6月中に公開したかったのに、7月も半ばになってしまった。しかし、どこかに記録しておかないと何を読んだか自体を確実に忘れる(記憶力がめちゃくちゃ悪い)ので、ここにメモしておきます。
2017年4月に読んだ漫画
1. 室井大資/岩明均『レイリ(3)』
戦国時代の武田家を舞台に、凄腕の(美)少女レイリが影武者として暗躍するといういかにもフィクションな物語でありながら、ストーリーが骨太、キャラが魅力的で話に引き込まれてしまう。先が気になる漫画の一つ。
2. 今井哲也『アリスと蔵六(1)~(2)』
「研究所」から脱走した超能力少女が、がんこ親父蔵六に出会うというハートフルSF? 設定はハードだけど、絵柄と雰囲気は柔らかめ。アリスがかわいい。続きはまた読みます。
3. 模造クリスタル『黒き淀みのヘドロさん(1)』
登場するキャラクターが全て少しずつ歪んでいることについて、自覚的かつ客観的なところがとてもよい。いわゆる病んデレも堪能できる。
4. 墨佳遼『人馬(1)~(2)』
上半身が人、下半身が馬である「人馬」という架空の生き物を主人公にした物語。戦乱の世が舞台なので、話はハードで熱い系。
5. 中村明日美子『ウツボラ(1)~(2)』
「それどこ」記事でお勧めされていたので読みました。カテゴリとしてはミステリ。明確な種明かしがされないまま終わるのですが、謎を解く為に必要なヒントは全てストーリー中に描かれているので、何が真実であったかを読者が考えるしくみ。何度も読み直して自分なりの真実を見つける過程まで、長く楽しめる。
6. 道満晴明『ニッケルオデオン赤 青 緑』
各話が必ず8頁で終わるという短編集シリーズ。 一つ一つの話がとにかく巧くてたのしめる。つい三巻分一気に読んでしまった。
7. 白井カイウ/出水ぽすか『約束のネバーランド(3)』
現時点では4巻まで刊行済。キャラクターが魅力的なのとストーリーテリングのうまさでぐいぐい読ませる。外の世界の協力者を匂わせるところ、敵役の「ママ」にも何が裏がありそうにみせるところなど、いろいろな想像をかきたてられる。
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8. 咲坂伊緒『思い、思われ、ふり、ふられ(5)』
高校生男女の恋愛模様を描く物語の五巻。少女漫画と侮るなかれ。ニヤニヤさせるどんでん返しの四巻ラストを経て、今巻ではタイトルが何を意味しているのかが分かる展開へ。結末はなんとなく予想がつくのだけれど、そこに行きつく過程が楽しいタイプのお話。
9. 吉田秋生『海街diary8 恋と巡礼』
映画にもなった海街diaryの最新刊。安定した物語運びながら、個人的には登場人物の特に男女観や恋愛観がちょっと古いことが気になってしまって、話に集中できない感じがある。
10. 麻生みこと『アレンとドラン(1)』
サブカル女子の恋愛もの。今後に期待。
11. 勝木光『ベイビーステップ(42)~(44)』
既刊をまとめ読み。スポーツ漫画は基本的には守備範囲外なのですが、ストーリーの緩急や対戦相手も含めたキャラ造形がうまくて、ストレスなく楽しめるので、読み続けています。作者の力量がすごいのだと思う。
ジャンルは違うけれど、「マルドゥック・スクランブル The 3rd Exhaust」(ハヤカワ文庫)で、主人公がカジノで座ったままギャンブルをし続けるシーンが延々続くのに、机上の駆け引き描写がやたらと面白くてどんどん読めてしまうのと感覚が似ている気がする。
12. あらゐけいいち『CITY(1)~(2)』
あらゐけいいちの新作。シュールな世界観は健在。読み終わったあとに頭の中がすっきりする効用があるように感じる。
13. 吉沢緑時『NKJK』
これも 「それどこ」の記事で見たお勧めされていた漫画。日常系ほのぼの漫画のように見せかけて、ストーリーの作り込みがうまく、ニヤニヤと読み進め、途中ではっと胸をつかまれるような展開からのこれ以上ないラスト。物語の力を感じる一作。
14. クール教信者『小林さんちのメイドラゴン』
なぜかこのブログ経由で定期的に購入されているので、何かの啓示かと思い読みました。同じ作者のものでは「おじょじょじょ」を読んでいて面白いと思っていたけれど、メイドラゴンは百合風味。ニヤニヤ楽しめる。
15. 五十嵐大介『海獣の子供(1)~(5)』
五十嵐大介にはまっているので、その活動の一環。抽象性の高いラストは賛否が分かれると思いますが、わたしはすごくよかった。イメージの洪水におぼれ、言葉で意味をこじつけることの無意味さを突き付けられたよう。
16. 石塚真一『BLUE GIANT SUPREME(1)』
一旦完結した形になっている、BLUE GIANTの続編。舞台はドイツに移り、主人公に都合のよい方向に話が進みすぎる気もしつつ、やはり話運びがうまいのでするするっと読めてしまう。
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2017年5月に読んだ漫画
1. 弐瓶勉『人形の国(1)』
弐瓶先生の新作。まず画面がすごい。世界の描写、入り組んだ建造物がかっこいい。話もハードボイルドでありつつ、急にハーレム系ラブコメっぽくなるところも最高。人外のヒロインがいろいろアレなのに可愛いところも最高。もうすでに5回くらい読んでしまった。最高です。
2. 三宅乱丈『イムリ(21)』
大好きなシリーズの最新作。この先の展開に必要なタメなんだろうとは思いつつ、この刊は非常につらい展開だった。しかし、物語として素晴らしいことには変わりはないです。
三宅先生の作品を初めて読む人にはPetをお勧めしたい。
3. 藤田和日郎『双亡亭壊すべし(4)』
安定の藤田和日郎で4巻。今回も主人公が実質3人いて、それぞれがそれぞれにかっこいいところがよい。続きを楽しみにしています。
4. 鳥飼茜『先生の白い嘘(7)』
男女間の断絶と絶望について、人間の暗部を覗き込むような作品。昏い箱の底に、くすぶっているように見える仄かな希望に期待してしまう。
5. 浅井蓮次/沢田新『バイオレンスアクション(1)』
主人公が可愛くて、かつ、ハードボイルドで爽快感がある。でも、残虐描写も結構あるので、苦手な人は気を付けて下さい。
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6. 弐瓶勉『BLAME!(1)~(10)』
ネットフレックスで映像化されたのを見たので、再読。やはりかっこよくておもしろい。階層世界、かっこいいですよね。住みたくはないけど。
7. 弐瓶勉『ブラム学園!アンドソーオン』
BLAME!を読んだら、セットでブラム学園も読みましょう。シボさんが可愛くて最高。弐瓶作品としては、「シドニアの騎士」への作風の転換につながる重要なエピソードとされているらしい。とにかくシボさんが可愛いので読みましょう。
ブラム学園! アンドソーオン 弐瓶勉作品集 (アフタヌーンコミックス)
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8. 弐瓶勉『無能なナナ(1)~(2)』
超能力者のバトルもの。1巻の展開にしかけがあるので、詳しくは語りませんが、それぞれの能力がよく練られているのとキャラクターが魅力的なので、個人的には結構好き。
9. 山田胡瓜『AIの遺電子(1)~(5)』
人間そっくりのヒューマノイドが、人間と同じ権利を保障されて暮らす近未来SFもの。近未来SFものによくある凄惨さや残酷さはなく、人間ドラマなので読みやすい。設定もきちんと練られていていて、安心して読める面白さ。
10. 桑原太矩『空挺ドラゴンズ(1)~(2)』
龍狩りを生業とする「捕龍船」の乗組員を描くファンタジー。いい意味で生活感あふれるお話で龍がおいしそう。世界観はナウシカっぽく、絵も非常にうまいので物語の世界に入り込んで楽しめる。
11. 近藤ようこ『帰る場所』
近藤ようこの短編集。彼女の作品はどれも上品でかつほんのり色っぽく、ひとときの安らぎを与えてくれるので、ちょっと疲れたときに休憩をするように読んでしまう。
12. 志村貴子『娘の家出(1)~(6)』
ちょっと複雑な家庭環境の女子高生を主人公に、周囲の人間模様を描く、ポップな物語。語り手がどんどん変わるのが、個人的には面白かったけど、好みは分かれるかもしれない。
13 吟鳥子『きみを死なせないための物語(1)』
「アンの世界地図」の作者の新作はSFでした。うれしい。1巻ということでまだ序章ですが、設定といいキャラクターといい、期待を持たせる要素が満載。続きが楽しみです。
14. ノッツ『初情事まであと1時間(1)』
表題通り、男女の初情事までの1時間をカウントダウン方式で描くオムニバス。これは視点の勝利。いろいろな組み合わせが登場して、どれもニヤニヤ楽しめます。1巻ということは2巻も出るのか?買いますよ。
15. 萩原健太『彼方のアストラ(1)~(3)』
この設定どこかで見たことある…と思ったら、構造は「11人いる!」的です。しかし、キャラが魅力的で話もおもしろく、今一番続きが気になっている漫画の一つ。登場人物が全員かわいすぎませんか。
16. 赤坂アカ『かぐや様は告らせたい(1)~(5)』
ある高校の生徒会を舞台に、本来的には両想いの会長と副会長が恋愛の主導権を握るために、相手に告白させようとかけひきしまくる漫画。 と書くとドロドロしてそうですが、両想いなのに死ぬほど不器用な二人がもだもだするという話なので、ほのぼのです。5巻で会長がかっこいい展開になってニヤニヤするので、ぜひそこまで読んでほしい。
かぐや様は告らせたい?天才たちの恋愛頭脳戦? 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
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17. 石黒正数『ネムルバカ』
石黒正数のファンなので、定期的に過去作を読んでいます。冒頭は日常ダラダラ系のように見せかけて緩く始まり、途中でぐぐっと加速してトップスピードで駆け抜けて余韻を残して終わるという、いわゆる石黒節がたまらない。
18. 宮原るり『僕らはみんな河合荘(1)~(9)』
9巻がすごい!とツイッターで話題だったので読みました。 ちょっとわたしにはリア充成分が強すぎたかもしれない。もう少しひねくれているほうが落ち着きます(でもちゃんと最新刊までは読んだ。)。
4月分と5月分は以上です。追って6月分も書きます。
漫画感想を書いていると、わたしは語彙が少なくて感想を書くのヘタだな~と凹むのですが、こういうのってやらないとうまくならないと思うので、そのうち上達することを夢見てしばらくは続けるつもりです。