「流し麺会」とは!?
Photo by OKPさん
もう夏も終わりの風情ですが、「流し麺会」をやりました。「流し麺会」とは、「いろいろな麺を茹でて、流しそうめん的に流しながら、いろいろなつゆに付けて食べる会」です。
「夏に流して食べる麺」といえばそうめんが一般的ですが、そうめん以外の麺類を流して食べてはいけない法律でもあるのか、いやないだろう(おそらく)。そのような発想により、支障がなさそうな範囲でいろいろな麺を流した実験結果の記録です。
なお、この記事には、会の公式カメラマン(勝手に認定している)であるOKPさんから提供頂いた写真を一部使わせて頂いています。
また、流し麺会のメインビジュアルのイラストは、前回と同じく金沢詩乃さんに依頼して描いて頂きました。
buchineko-okawari.hatenablog.com
会場の設営とバーカウンター
Photo by OKPさん
今年の夏は雨の日が多くて、麺を流して食べるのに雨だとテンションが下がるな~と心配していたのですが、日頃の行いがよいせいか、無事に晴天となりました。まさに流し麺日和!
麺を流す台と言えば竹ですが、保管する場所が確保できないのでレンタルしました。今は何でもネットで手に入るのでべんりですね。設営は、OKPさんと快適先生の共同作業で実施されました。
竹に水を供給する方法について、うちでは大鍋に貯めた水をバスポンプ(専用の新品)で汲み上げる方法を採用しています。鍋に貯めた水が割とすぐに尽きてしまうので、水を運搬する作業が発生してつらいところが今後の課題です。
そして、今回は会場の一角にバーカウンターを設けてみました。
Photo by OKPさん
バーテンダーはbadさんで、ジンをご当地サイダーで割ったカクテルなどを振る舞って頂きました。
Photo by OKPさん
巨峰や各種ジュースを使ったカクテルや徳島のすだちオプションもあり、badさんの博覧強記なトークも冴え渡り、これは定番化するのではと思うような好評ぶりでした。わたしも何種類かお任せで作って頂きましたが、とてもクールでおいしかった。
Photo by OKPさん
こちらは乾杯用に用意したドイツビール Früh Kölschの5リットル缶。他にもお酒の差し入れもいろいろ頂いてありがとうございました。
どのような麺を流すのか
まずはそうめん。出先などでまめにスーパーを覗いて、変わった素麺があれば買うという方法で集めたものです。
自家製の麦切り。細めのうどんです。事前に製麺機で作って冷蔵庫の野菜室にて熟成させておきました。
製麺マスターことマダラさん特製の多加水麺と熟成そうめん!これを流していいのか、もったいなくて悩むやつです。
さらに、仙川のラーメン二郎の麺。ラーメンを食べた人だけが茹でる前の麺を購入できるシステムだそうです。色合いといい太さといい、禍々しい。このようなものを流して怒られないのか??悩むやつです。
Photo by OKPさん
他にも伊勢うどんや台湾の麺線など、「流すのによさそうな麺があれば持ってきてください。」という主催の無茶ぶりに応えて、なかなかのラインナップが揃ったように思います。
麺のつゆは、全部で13種類!
さて、個性的な麺を迎え撃つのは、最終的に13種類(不吉な数!)になった個性的なつゆのラインナップでした。ざっくりご紹介します。
No.1 かぼすすだち麺
めんつゆにかぼすとすだちのスライスを浮かべたかぼすすだち麺のつゆ。スタンダードな素麺を爽やかに食べたいときにいいやつですが、このつゆに自家製辣油をブレンドした魔改造が行われていたという情報もあります。
No.2 豆乳担々麺
肉味噌と豆乳を入れて冷やしたピリ辛担々麺のつゆです。ここにお好みで追加の肉味噌、半熟味玉、自家製辣油をトッピングして食べる仕様でした。
香りが移った油に、鷹の爪、フライドガーリック+オニオン、鷹の爪、白胡麻を貝柱(水で戻したあとに水分をできるだけ除いたもの)、干し海老の刻んだものを入れて、中弱火でチリチリするまで温めてからボウルに移し、粉唐辛子、塩、創味シャンタンを加えたものでした。数日寝かせたら完成です。 pic.twitter.com/c1ecIb0ZSK
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年8月29日
Photo by OKPさん
強めの味付けだったので、太い麺や強い麺に合うやつでした。
No.3 鴨葱麺
鴨肉をこんがりと焼いてから、Anovaで低温調理したものです。以前に「それどこ」の記事でも作りましたね。めんつゆをベースにしたつゆに一晩漬け込んで、いわゆる鴨ロースを作っておきます。
スライスして、茗荷と紫蘇の千切りを添えてできあがり。鴨を漬けためんつゆは、葱を入れて軽く火入れしてそうめんのつゆにしました。
鴨のエキスと脂の溶け込んだそばつゆがおいしい仕組みだったのですが、観測していた限りでは、普通に酒の肴として食べられていたような気もします。
No.4 棒々鶏麺
塩、生姜、にんにく、青葱の青い部分に花椒と一緒にAnovaで低温長時間加熱した鶏もも肉です。
buchineko-okawari.hatenablog.com
これを茹でもやしと千切りきゅうりの上に盛り付けて、芝麻醤ベースの甘辛いタレを添えた棒々鶏麺。中華系の麺におすすめのつゆです。
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常々思っていた、棒々鶏ってそのまま麺にのせても美味しいよね?という気持ちを具現化してみました。たぶん美味しかったと思う。
No.5 鯵の冷や汁麺
宮崎県の郷土料理と言われている冷や汁には色々な作り方がありますが、今回は、頭とはらわたを取った煮干しをミルサーで粉砕したもの、すり胡麻、信州味噌を混ぜ合わせて、耐熱皿に平たく伸ばした上で、バーナーで表面を焦がしたものを水で溶いて、醤油で味を整えたつゆをベースにしました。
そこに、焼いた鯵のひらきをほぐしたもの、きゅうり、茗荷の千切り、紫蘇、青葱などをちらしました。これは普通にそうめんに合うので、ご家庭でも試して頂きたいやつ。
No.6 魯肉麺
台湾旅行に行ってからハマっている魯肉飯の魯肉部分を麺にかけてもおいしいに違いないという発想で用意したもの。五香粉の香りがする豚肉の甘辛煮ですね。
ざっくりしたレシピは過去記事を見てください。
buchineko-okawari.hatenablog.com
大量に作った半熟味玉を添えて。
No.7 スパイスカレー麺
意外と本格的に作っており、まず、適宜のスパイスをミルサーで粉砕して、にんにくと刻み玉ねぎを発酵バターで炒めたものに加えて、更に加熱してカレーペーストを作ります。
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これを以前に抽出して冷凍しておいた豚骨スープに溶いて作ったのが、スパイスカレー麺のつゆ。鍋の周囲が突然異国風になる強い匂いを放つ一品でした。これも強めの麺に合わせる用。
No.8 松茸すきやき麺
松茸すきやきとは、小林銅蟲『めしにしましょう(2)』の表紙にもなっているあれを、流し麺のつゆにしてしまおうという不遜な試みです。松茸は中国産のものを近隣のスーパーで安く仕入れましたが、肉はちゃんと和牛です。
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Photo by OKPさん
会場ではちゃんとキャプションも入れた。
しかも、なぜか作者である小林銅蟲先生直々に焼いてもらいました。
これですが、焼くと松茸の香りがガツンと立って、それを和牛の旨味で甘辛く食べるの、日本人ならみんな好きそうな味でした。惜しむらくはみんなそのまま食べてて、麺にしてくれていなかったところ。わたしもそのまま食べました。
No.9 ラムと猪の火鍋麺
最近ハマっている火鍋をしゃぶしゃぶにして、さらに麺を入れたらおいしかろうと思って作ったやつ。火鍋のつゆには、にんにく、生姜、長ねぎ、花椒、唐辛子三種、粉唐辛子、豆板醤、干し貝柱と干しエビを戻したやつ、金華ハムなどが含まれており、見た目ほどは辛くなくて旨味成分が盛られた仕様になっています。
みじん切りの大蒜、生姜、長葱、花椒をごま油で炒めて、こんがりしたら唐辛子、豆板醤を入れてさらに炒め、チキンスープ、ローリエ、甜麺醤、紹興酒、中華濃口醤油、粗挽唐辛子を加えて軽く煮た汁に、低温調理した牡蠣を30分くらい漬けたものです。https://t.co/gfLSyo5N3t pic.twitter.com/8NSWBNjxGm
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年8月14日
火鍋のつゆに、中でしゃぶしゃぶしたラム肉または猪肉を添えて麺と一緒に食べてくださいという趣向でした。
No.10 冬瓜とスッポン麺
いただきもののすっぽんを使って、ネットで調べた情報でおそるおそる出汁をひいて味付けしたつゆに、柔らかく煮た冬瓜を入れたものです。
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すっぽんのスープは旨味は強いですが優しい味で、滋養もつくので体にいい系のつゆだったのではないかと思います。
No.11 小林銅蟲先生の自家製めんつゆ
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差し入れですが、小林銅蟲先生の自家製そばつゆです。プレーンなそばつゆなのにとても強いと評判で、最後に余ったものを持ち帰る人が続出しました。
No.12 小林銅蟲先生の海老佛跳牆
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これも差し入れですが、『めしにしましょう(3)』にも登場する佛跳牆を作ったときの二番出汁に海老を加えたものだそうです。このような貴重なものを流し麺のつゆなどという雑な用途に使ってしまっていいのか??迷うやつですね。味はとても複雑でおいしかったです。
これは霜降りローストビーフうに乗せエビ佛跳牆がけです pic.twitter.com/aeTAMAl1ta
— 小林銅蟲 (@doom_k) 2017年9月3日
さらにこういった魔改造も実施されていました。料理に決められたルールなどないのです。雲丹は少し温めると甘みと香りが立ってとてもおいしいですね。
No.13 小林銅蟲先生の謎シチュー
Photo by OKPさん
さらに、小林銅蟲先生のうちの冷凍庫(魔窟)に眠っていたあれこれを混ぜ合わせた禍々しい(しかし旨味はとても強い)シチューも提供していただきました。これは流し麺につけて食べてよいものなのか???人生には難しい問題がたくさんありますね。
実際の会の様子
さて、麺とつゆを見ていくと若干不安になってくる会の様子ですが、実際のところは夏の終わりの晴れ間が覗く中で、爽やかに実施されましたので心配ご無用です。
爽やかです。
爽やかですね??
これは仙川二郎の麺を軽やかに流す小林銅蟲先生の手元です。
一応用意したその他のおつまみ
うちの定番。最初に飲む一口スープは、旬のとうもろこしにしました。みじん切り玉葱をバターで炒めて、とうもろこしを加えて昆布出汁で蒸し煮にした後、ハンドミキサーで粉砕して濾して冷やしています。味付けは塩のみですが、口に入れた瞬間とても甘いのは、旬ならではですね。
生ハム豆腐です。水きりした絹ごし豆腐を生ハムで包み、上からオリーブオイルと黒胡椒をかけ、パルミジャーノレッジャーノを削りかけたもの。割とヘルシー系のおつまみのつもり。
野菜も食べないと怒られるかもと心配して用意した夏野菜のサラダ。湯むきしたアメーラトマトが甘いところがポイントでした。
そして、おつまみというか、メインディッシュというか、うちのスペシャリテになりつつある、雲丹ローストビーフ。別名「うにく」。
今回はそれほどいい雲丹がなかったのですが、まあこれは様式美なので。
お肉は、宮崎牛の刺しがたっぷり入ったロース肉かたまり1kgと、カナダ産のヒレ肉500gを用意して、霜降りと赤身の二種類が楽しめる仕様。
生わさびはその場でフレッシュなものを擦って添えるしくみです。
右側で松茸すきやきを焼き、左側ではうにくを切り分ける。先日行われた料理対決の再現では?という声もありましたが、特に対決はしておらず、作業分担をしているだけです。
こんなものを食べていたら、頭が悪くなるに違いないという評判の料理でした。わたしもそう思います。
製麺デモンストレーション
そろそろ読んでいるだけでお腹いっぱいかと思いますが、さらにここから玉置さんとマダラさんによる製麺デモンストレーションも実施していただきました。つまり粉から麺を作る過程を目の前で実演して頂き、さらに参加者自らでも麺を打ってもらうというイベントです。
なんかインターネット的に濃い写真が撮れてしまったので載せておきます。
参加者のうち付き合いが古い友人から「お前の企画するイベントは要素が多すぎる。」と苦情?があったのですが、このブログ記事を書いていて自分でも半日(5時間)くらいのイベントなのに要素が多すぎたかもしれないと反省しました。
しかしもう少しだけ続きます。
デザートはかき氷
麺をたらふく食べた後のデザートはかき氷を用意しました。今年はまだ一回もやっていなかったので、かき氷機を一度くらい使っておきたいな〜と思ったという事情もあります。
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かき氷には二種類あって、写真では生肉にしか見えないのですが、いちご練乳です。すなわち、少し薄めた練乳の中にいちごを沈めて凍らせたものをかき氷機で削っています。甘酸っぱくておいしい。
もう一つは、杏仁氷。杏仁豆腐を作る要領で、ゼラチンを抜いた液体を凍らせて削ると杏仁豆腐の味がするかき氷ができるしくみです。
ここにお好みで、キウイのソースをかけてもおいしい。生のキウイに水あめや若干の砂糖を加えてからハンドミキサーで粉砕したソースです。なぜキウイかというと、スーパーで熟れすぎたものが半額になっていたため。
さらに、黒糖で味をつけたタピオカを下に敷くのもありで、台湾テイストになります。
黒タピオカを、黒糖シロップ(お湯に黒糖を濃い目に溶かしたもの)で柔らかくなるまで煮てから、熱いままのタピオカとシロップをコップに入れて牛乳を注いで氷を浮かべてかき混ぜると、台湾で飲んだタピオカミルクにかなり近いものができることがわかりました。太いストローは百均で買えます。 pic.twitter.com/3RSwsCtpFU
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年8月11日
ちなみに、今回の会費は1人3000円で参加者は27人ほど。うちの冷凍庫(魔窟)に眠っていたお肉やすっぽん等は会費外なのと差し入れがたくさんあったので、若干やり過ぎになりましたが、普通の流し麺会なら竹のレンタル代を入れてもそれくらいで収まるのではないかな〜と思います。
現場からは、以上です。
参加者のみなさんの感想など
流し麺会、参加者のお子さんたちが最上流に陣取って麺ぜんぶ持ってくので、陰険な筆者は「ねえそれズルくない?ねえねえ?ズルじゃん?麺ちょうだい麺」って言ってたんですけど、圧倒的な若さの前に全無視されました。
— 快適な生活 (@Kaiteki) 2017年9月3日
小林さんとぶち猫さんがまた戦ってる。流しそうめんだけに水に流すというやつですか。 pic.twitter.com/TaQGcoPjyo
— 玉置標本 (@hyouhon) 2017年9月3日
会お疲れ様でした
— 小林銅蟲 (@doom_k) 2017年9月3日
麺
— pha (@pha) 2017年9月3日
会
— pha (@pha) 2017年9月3日
ぶち猫さんの流し麺会色々最高すぎた…
— マダラさん (@madaraudon) 2017年9月3日
サインあざます!家宝にしましょう! pic.twitter.com/hCZOT6cfQy
昨日はぶち猫さんの豪華な流しそうめん会に親子で参加しました、銅蟲先生の料理も食べれて感無量です…!!皆さまありがとうございました!!
— bad (@kodawari) 2017年9月3日
ぶち猫さんの、美しく完璧なつけだれたち。映えます。 pic.twitter.com/OZSRkifpQk
— まいける (@__maicos__) 2017年9月3日
今日の写真、なんだかんだで小林銅蟲先生のばっかりや…
— 高橋太一⚫️ (@_udonchan) 2017年9月3日
晴れてて楽しかったなー。みなさまお疲れ様でした pic.twitter.com/MTvbD2dKr4
— スケロク (@yuuskee) 2017年9月4日
ぶち猫さん主催の流し麺会にお呼ばれされたので楽しく麺(目的語の幅は大きい)をいただいてきました。なぜか二郎の麺を流すことになり、小林銅蟲先生が素早くダイナミックに流していました。 pic.twitter.com/ovXks9MV2z
— toya(概念)📎 (@toya) 2017年9月3日
https://twitter.com/toya/status/904311052703170565
https://twitter.com/toya/status/904311052703170565
https://twitter.com/toya/status/904311052703170565
よかったですね。
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