ぶち猫おかわり

料理ときどきぶち猫二匹

2017年 長崎 上五島の小さな教会を巡る旅とホテルマルゲリータ

仕事で佐世保に行く用事ができた

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話がかなり前後するのですが、昨年末に仕事で長崎に行く用事ができて、ちょうど週末にかかる日程にかこつけて、以前から気になっていた五島列島に行ってきました。

と言っても、五島列島は上五島と下五島に別れていて、とても1泊2日で両方を回りきれる距離ではないので、今回は佐世保から上五島(正確には中通島)を巡る旅となりました。

佐世保朝市は魚を買いたくなる市場

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旅の始まりは、土曜朝の佐世保から。上五島行きのフェリーに行く前に、朝市に寄りました。写真はその朝市の模様です。立派な魚がリーズナブルな価格で並んでいて、これから島に渡る身としては買いようもないのですが、見ているだけでもめちゃくちゃに楽しい。

 

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この本マグロを二つほど買って帰って、10人くらい集めて本マグロ会をやりたい。なぜうちの近所でこれを売っていないのか。

 

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地場の名前も分からない魚も売っていて、とにかく最高。朝が苦手なので最初はぼんやりしていたのに、ここで一気に目が覚めました。

 

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曇り空だったのですが、佐世保港はどことなく南国ムードの漂う港なのでした。

上五島 有川港へ向かう船に乗る

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時刻は朝の8時。上五島の有川港へ向かうフェリーに乗ります。本当は一便前のもう少し小さな高速船に乗る予定だったのですが、海が荒れていて欠航になったため、時間を遅らせた経緯があります。

 

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フェリーの内部は絨毯敷きになっていて、間に通路が走っている構造。絨毯には靴を脱いで上がるしくみで、自由に使える毛布と枕が設置されています。フェリーが動き始めると、慣れている雰囲気の乗客はみんな枕と毛布を使って横になって寝始めたので、わたしもそれに倣って横になってうとうとしました。

波の揺れが心地よくて、眠ったせいで船酔いすることもなく結果としてよかったと思います。乗船時間は、2時間半ほどです。

佐世保-上五島航路(フェリー)|航路・ダイヤ・運賃|九州商船

上五島の有川港

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ちょうど目が覚めた頃に、上五島の有川港に到着しました。フェリー乗り場の天井付近に鯨の模型(普通のと骨格模型の両方)が浮かんでいるという不思議構造。

 

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フェリー乗り場は新しくてきれい。ここでレンタカー(電気自動車)を借りました。公共交通機関を使いたい気持ちもあったのですが、今回は機動性を重視してレンタカーに。上五島は環境保護の観点から電気自動車をプッシュしていて、各所に充電施設があります。

http://www.goto-sangyo.co.jp/rental_car

鯨の顎骨の鳥居がある海童神社

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最初に訪れたのは、到着した有川港から徒歩圏にある海童神社。鯨の顎骨でつくられたという白い鳥居(写真の石の鳥居の裏側に見えているもの)が特徴です。

 

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鳥居をくぐって丘を登っていくと、いい雰囲気の祠があります。街灯がなさそうなので、夜中肝試しに使われている可能性があるなと思いました。

「五島うどんの里」で地獄炊きを食べた

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お昼は近くにある五島うどんの里にて、五島うどんを食べました。写真は左上にある湯掻いた鯨がメインの五島うどん定食(定食なので当然のように白ご飯がついている。)。

 

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こちらは「地獄炊き」定食。茹でたうどんを鍋ごと卓上に上げて(地獄炊き)、二種類のつゆ(a. 醤油+卵+青葱+鰹節のつゆ、b. 飛魚出汁+生姜+青葱のつゆ)につけて食べるという五島の名物です。

五島列島のイメージ的に、鮮魚をお刺身でたくさん食べるぞ!という意気込みで行ったのですが、最終的にはうどんの島だったなという感想を抱くに至りました。これはその最初の一歩です。五島のうどんはめちゃくちゃおいしいのでした。

 

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五島名物の保存食、かんころ餅。芋を原料とする餅です。作っている工程だけ見学して、食べる機会に恵まれなかったのは今でも少し後悔しています。

 

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今回の旅のメインは、上五島に点在するカトリック教会を見て回ることです。有川港を出発地に、最初の目的地であるカトリック頭ヶ島教会に向かって海岸沿いを進んでいくと、左手にけもの道のような細い道があり、慎重に降りていくとハマンナと呼ばれているビーチがあります。

この日は曇っていたので、写真はイマイチですが、小さいビーチなのに海と遠くに見える島影が美しくて、異国の海岸にいるような気分になれます。ちょっとした寄り道にお勧めです。

カトリック頭ヶ島教会と白浜遺跡 (頭ヶ島キリシタン墓地)

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ハマンナから引き返し、カトリック頭ヶ島教会へ向かうと、その手前の海沿いには頭ヶ島キリシタン墓地があります。

 

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カトリック頭ヶ島教会の天主堂。国の重要文化財にも指定されています。ペールトーンのステンドグラスが美しい、海辺の石造りの教会です。

 

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教会内部は撮影禁止なので、写真は外観のみ。上五島の教会はどこも集落の人々が祈りの場として日常的に使っている様子が伺えるのですが、日中はドアの鍵は開いていて誰でも入れるようになっています。それにしても、この取手の細工の美しいこと。

廃止された上五島空港を訪ねる

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カトリック頭ヶ島教会からさらに東に進むと、すでに廃止された上五島空港があります。入り口が閉鎖されているだろうと思ったのですが、普通に駐車場に入れてしまったので、車を止めて散策しました。廃墟が好きなので……。

 

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もっと荒れているかと思ったら、滑走路は使われているのかきちんと整備されている様子でした。

 

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どこか漂う南国ムード。他にも何台か車が止まっていて、こんなところに何しに来るんだろう?不審者??と話していたら、どうも奥のほうで設備の工事をしているようでした。不審者はわたしたちのほうだった。

世界遺産の登録審査が進んでいるようなので、この空港も再び使われる日が来るのかもしれません。

中通島の海辺のドライブ

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充電に気をつけながら、電気自動車で中通島の海べりを有川港方面に向けてドライブ。入江はとても入り組んでいて、どこにも船が停泊している。

 

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途中ですれ違った路面バス。これに乗りたかったのですが、1時間1本くらいの便数なので、観光の足にするには難易度が高い。

 

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桟橋にいたのは、カモメたち。遠くに見える小さな湾の外周にまで伸びる桟橋の先端には釣り人の姿がありました。

旧鯛ノ浦教会堂とルルド

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次に向かったのは、旧鯛ノ浦教会堂。色合いの異なる赤レンガで作られた美しい建物です。

 

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赤レンガの塔は後から増築されたものだそうで、教会堂の本体の建物は更に古くて風情のある雰囲気です。ステンドグラスの色合いは外から見ると慎ましやかですが、内側から見ると色鮮やかで全く異なる印象を受けます。

 

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教会横にある「ルルド」。フランスにある聖母マリア信仰の巡礼地である「ルルドの泉」を模して作られたものだそう。洞になった岩肌の奥に聖母マリア像があり、礼拝できるようになっています。

 

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こちらは、老朽化した旧鯛ノ浦教会堂に代わって作られた近代的な(新)鯛ノ浦教会。クリスマス時期は夜にライトアップがされるので、電飾のコードが八方に伸びています。

入江の集落と大曾教会

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北上し、集落の密集する入江をぐるっと回り込んで訪れたのは、大曾教会です。

 

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大正時代に建てられたというレンガ作りの聖堂。こじんまりとして雰囲気のよい教会です。入り口がとても分かりにくく入っていいのかどうか迷いましたが、入って問題なかった模様。

 

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海外から取り寄せたという花のモチーフのステンドグラスはとても見事でため息が出ました。中から見るほうがより素敵です。

青い壁のカトリック冷水教会

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入江を戻り、さらに北上したところにあるカトリック冷水教会。明治40年に竣工したという聖堂は木造建築で、空に映える青い壁とステンドグラスが個性的な小さな教会です。ステンドグラスの色合わせが本当に個性的でおもしろい。

 

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こじんまりとして、地域の人々によって運営されている雰囲気を感じる。入り口のデコレーションの素朴な美しさ。

 

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集落を背に建てられた純白のマリア像。上五島の教会群では聖母マリア像をそこかしこで見かけました。過酷な歴史ゆえに聖母マリア信仰が強いのかもしれないと想像しました。

壮麗なカトリック青砂ヶ浦教会

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奈摩湾を挟んで、冷水教会の対岸に位置する青砂ヶ浦教会は、上五島の教会群の中でもかなり大規模なもの。

 

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1910年に建立されたという天主堂は、国の重要文化財にも指定されています。

 

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赤レンガのモザイク的な美しさ、アーチの壮麗さと奥に続く扉の細工の細やかさ。額に「天主堂」と大書されている独特の雰囲気も含めて、見どころの多い教会でした。

 

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ここにも先程見かけたものと近い様式のルルド。ルルドでは儀式が行われることもあるようで、前にベンチが並んでいました。

可愛らしい赤白の曽根カトリック教会

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さらに北上して、この日最後の教会は、曽根カトリック教会。城壁に赤い縁取りが可愛らしい印象の教会です。

 

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入り口二階には、聖マリア像が両手を広げる像があり、夜になるとライトアップされる仕組みです。ライトアップは、各教会の信者の方が自主的に行っているもので、見ることができるのはごく限られた時間帯のみ。東京都心のライトアップのような巧みさはありませんが、聖夜を心から祝う気持ちが伝わってくるような素朴で美しい景色です。

上五島の「ホテルマルゲリータ」

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本日のホテルに到着。もう少し早く到着できるかと思ったのですが、教会一つずつに至る道が細く入り組んで遠く、思ったよりも時間がかかり、運転担当にはだいぶ負担をかけてしまいました。

 

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宿泊先は、国民宿舎を改造したというホテルマルゲリータ。モノトーンの建物が印象的なリゾートホテルです。

五島列島リゾートホテル MARGHERITA(マルゲリータ)

 

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入ってすぐのロビーは白い壁に広い吹き抜けになっていて、クリスマス時期だったので、大きなツリーが飾られていました。

 

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裏庭に向けて天井近くまである窓からの光は明るく、高い天井と相まって、とても開放的な雰囲気です。

 

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エレベーター完備ですが、螺旋状の階段もあります。大きな窓辺には謎の液体が入った瓶が並べられていました。

 

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個屋はシンプルで適度な広さがあり、リゾートホテルの趣。

 

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カーテンを開けると、ベランダから海に浮かぶ島々を眺めることができるようになっていました。椅子も準備されていて、少し寒いですが、真夜中に海上に瞬く星を眺めることもできます。

 

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裏庭に回ると、先ほど見学してきた曽根カトリック教会の屋根と十字架も遠くに見えました。徒歩圏内なので、夜のライトアップ時間中に歩いて見に行くこともできます。

レストラン「空と海の十字架」

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夕食は、ホテルのレストランである「海と空の十字架」へ。

すぐ後ろが団体の旅行客でした。彼らは大きなバスを借り切って、日中から上五島の教会を観光して、日が暮れた後にライトアップしている教会をいくつか回ってから帰ってくるというプランだった模様です。確かに、上五島は貸切のバスでぐるぐる回るのに適している観光地だと思いました。

 

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夕食は、イタリアワインを開けつつ、五島の海の幸をふんだんに使ったイタリアンを頂きました。地場の白身魚のトマト煮は火入れが絶妙でふわふわ。

 

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イノシシとゴルゴンゾーラチーズのパスタ。

 

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五島牛と豚肉と野菜のグリル。お肉は脂が香りよくとろけるようで、野菜は味がぎゅっと詰まっていた。添えられたハーブも爽やか。

 

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締めは金柑の入ったコンソメリゾット。金柑をこういう風に使うのは初めて見ましたが、よく合っていました。今度試してみたい。

 

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デザートは焼き林檎。マスカルポーネチーズと胡桃が添えられていました。最後までおしゃれで大満足の食事でした。

 

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食後は、再度お風呂に入ったりしてのんびり。宿の中の散策もしたのですが、クリスマスシーズンだったので、あちらこちらにクリスマスツリーやモチーフが飾られていました。

 

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個人的に好きだったのは、白い壁を使ったクリスマスデコレーション。椅子の雰囲気といい、一緒に置かれたオブジェの無機質さといい、とてもいいバランスで気に入りました。

上五島の朝と漁港見学

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翌朝は、7時ころには起きて、大浴場に浸かって目を覚ましてから、朝ご飯前に電気自動車に乗って出かけました。

 

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目的地は、小串港。小さな漁港ですが、海が時化ていなければ、土曜の朝には水揚げがあり、その様子を遠くから見学できるとのことでした。まだ船の戻ってきていない漁港には、常連らしき三毛猫が微妙な距離感で待機していました。

 

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間もなく、近海で漁をしてきたと思われる船が沖の方から姿を現します。

 

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漁港で待機していた作業者が、素晴らしい手際で魚を仕分けしていきます。遠目から見た限りでは、烏賊の水揚げが多かった様子。

 

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あっという間に発泡スチロールの箱に詰められていた。

 

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船が来ると、漁師だけでなく、買い物に来た地元の人や猫、かもめやカラスなどの生き物がどんどん集まってきて、周囲が活気づいてくる。わたしはじゃまにならないように、望遠レンズでそっと遠くからシャッターを切っていただけです。

「海と空の十字路」の朝ごはん

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一段落したらホテルに戻り、朝ごはんにします。手足がすっかり冷えて、お腹も空いていました。「海と空の十字架」の朝ごはんは、和食と洋食の二種類から選ぶことができ、前日にオーダーしておく仕組みでした。

 

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和食をオーダーした場合、小皿に小さなおかずがいろいろ乗せられてやってきます。

 

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洋食はこちら。パンとジャムもソーセージも野菜もとてもおいしくて、特に自家製のママレードが買って帰りたいくらいおいしかった(販売していない。)。

 

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さらに、パンケーキも(無料で)頼めますよと言われて、気の迷いで頼んでしまった。生地がふかふか、バターはまろやかで果物の甘酸っぱさと相まっておいしかった。向かいでは、同じ要領で追加した五島うどんを食べています。朝から出かけてお腹が空いたので、ちょっと気が大きくなって、完全に朝ごはんを食べすぎたのでした。

 

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このレストランは朝焼きたてのパンを販売していることでも有名。おいしいのでぜひ買って帰りたいところです。

中通島をさらに北上する

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名残惜しくもホテルをチェックアウトした後、二日目は、中通島をさらに北上することにしました。一日目に巡りきれなかった中通島の南側に向かう案もあったのですが、島の北端にある小さな教会により興味を惹かれたのです。

 

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二日目は初日よりも天気が荒れ模様で、白い波の目立つ海を眺め、時折激しい雨に降られながらも海岸沿いの曲がりくねった道をひた走ります。

中通島最北端のカトリック米山教会

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中通島の最北端に位置するカトリック米山教会。1977年に建立されたという聖堂は、丸っこく柔らかいフォルムが印象的で、ステンドグラスの色合いも美しい。離島の教会とは言え、これほど独自性の強い建築にはあまり出会ったことがなく、とても興味深い。

 

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聖堂の横に建てられていた聖人と思しき像。上五島の教会はどこもこのような像が近くに建てられている印象。一度最北端までたどり着いてから、港のあるところまで南下していく計画です。

壮麗なステンドグラス、カトリック仲知教会

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米山教会から少し南下したところにある、カトリック仲知教会。外側は近代的な建物で米山教会ほどの趣はありませんが、聖堂内の一面に張り巡らされた聖書の一節を描いたステンドグラスは圧巻。堂内は撮影禁止のため、写真はありませんが、もし機会があればぜひ一度見て頂きたい。

 

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仲知教会の聖堂の横にも、ファティマの聖母出現をモチーフにした箱庭がありました。

 オレンジ屋根が印象的なカトリック赤波江教会

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さらに南下しつつ、見落としそうな細い道を東にしばらく進んだ高台にあるのが、カトリック赤波江教会です。

 

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白い壁に実用的なアルミサッシの窓と扉。屋根は写真で見るよりもずっと鮮やかなオレンジ色で、高台から集落を見守るように建っていました。

 

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このあたりの景観は「北魚目の文化的景観」と呼ばれていて、国の重要文化景観に指定されているそうです。

 

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ところどころ山の緑に飲み込まれてしまいそうな家があり、普段住んでいる街とのあまりの違いに不思議な開放感を覚えました。

 

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街を背にして、大きく手を広げたキリスト像(おそらく)が立っていました。

県内最古の木造聖堂、江袋カトリック教会

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国道へ戻り、さらに南下すると、県内最古の木造聖堂を有する江袋カトリック教会があります。白い壁と白い屋根の素朴な聖堂で、石造りの門構えがきりっと凛々しくてよい。

 

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この教会も高台にあり、入り口から入江に向かって広がる集落を眺める事ができました。

石垣の上にそびえる小瀬良教会

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さらに南下した道沿いにあるのは、小瀬良教会。石垣の上にそびえていて、遠くからでもよく見える。近くで見ると普通の民家のようでもあるが、額には黒い大きな十字架が掲げられており、内部もきちんと教会だった。

カトリック大水教会

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東シナ海を望む急斜面に建つ教会。聖堂は比較的新しく近代的な作り。正面からも見えるステンドグラスが美しい。このあたりで結構雨が強くなってきてしまって、車でも移動して回るのがちょっとしんどくなってきてしまった。

カトリック丸尾教会

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最後に訪れたのは、カトリック丸尾教会。純白の聖堂は丸みを帯びた不思議な雰囲気のフォルムで、紺色を基調としたステンドグラスも慎ましやか。シャッターが半分しか開いていなかったので、ここだけは内部に入りませんでした。

この時点でお昼前だったので、もう少し中通島を南下する選択もあったのですが、寒さと雨が厳しく、視界がよくない中での運転に不安も感じたので、予定よりも早い便で長崎の街へ向かうことにしました。

有川港から高速船で長崎の街へ

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港でレンタカーを返し、長崎行きの高速船のチケットを買いました。行きよりもスピードが速く小さな船です。普通の座席とじゅうたん席が選べたのですが、行きが快適だったので、じゅうたん席を選びました。料金は同じです。

 

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しかし、高速船のじゅうたん席は狭い上に、人気が高く既に埋まってしまっており、仕方なく座席に座りました。これが間違いで、海が荒れていたことに加え、小さめの高速船は揺れが強くて、かなり船酔いして最終的には座席に横になってうずくまって耐えることになりました。空いていたこともあり、他にも何人も座席に横になって耐え忍んでいる人がいました。過酷。

と言っても、油断して酔い止めをきちんと飲んでいなかった自分のミスでもあります。次は船でも油断しない。

長崎港と出島散歩

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ようやくたどり着いた長崎港。まだ午後の早い時間ですが、船酔いにやられていたので、既に夕暮れみたいな気分でした。しばらくフェリー乗り場で休憩した後、出島に行きました。

 

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現在、出島は埋め立てられており、内装も含めて当時の建物を再現した街並みが立ち並ぶ界隈になっています。入場料が必要ですが、結構気合の入ったつくりなので、見る価値はあると思います。

 

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個人的には、出島を通じて海外に渡った古伊万里などが展示されているコーナーが大好きで、今回は船酔いの傷心を癒すために主にそのコーナーを見に行きましたが、建物も相変わらずよかった。

www.nagasaki-tabinet.com

長崎駅前の「魚店亜紗」でお魚三昧

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空港に向かう前に、せっかくだから長崎の魚を堪能したいと思い、向かったのは長崎駅前にある居酒屋「魚店亜紗」。人気店のようなので、予約したほうがベターです。まずは、主に地の魚を使った刺身の盛り合わせ。

 

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長崎と言えば、ウチワエビも頼みました。身がぷりぷり締まっていて甘くておいしい。

 

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食べ終わった後の殻は、お味噌汁にしてもらうのが定番です。確かにとてもいい出汁が出ます。あと長崎のお味噌汁はちょっと甘いのが面白い。

 

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他にも馬刺しや焼き魚などを頼み、新鮮な海の幸を満喫した後、バタバタとリムジンバスに乗って、無事に長崎空港から東京に戻ってくることが出来ました。

ずっと行ってみたかった五島列島の教会群の一端に触れることができて、とても有意義な旅だったと思います。

上五島のおみやげ

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さて、上五島で買ってきた自分用のおみやげです。主に、中通島で立ち寄ったスーパーマーケットで購入した地場の食材です。使い勝手がよかったのは、漁協が作っている焼き飛魚の粉末出汁(一番右)。あと現地でしか買えないものとしては、手延べふしめんがおいしかった。

 

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こちらはホテルマルゲリータのおみやげ。

 

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お勧めは「上五島29の教会クッキー」。上五島にある29の教会の外観などが描かれた素朴なクッキーです。お餅会のデザートにお出ししたところ、好評でよかった。このクッキーは、長崎空港の出発ロビーにあるお土産売り場でも買うことができます。角煮まんじゅうの売り場の近くを探してみてください。

buchineko-okawari.hatenablog.com

五島うどんの地獄炊きを再現した

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お土産として買ってきた五島うどんを使って、地獄炊きを再現しました。中央は土鍋で茹でたそのままを食卓に出した「五島うどんの地獄炊き」。漬けダレは、左側があご出汁(中に生姜と青葱を入れる。)、右側が卵、鰹節と青葱、ここにチョーコーの甘口醤油を入れてかき混ぜます。

 

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うどんというと四国のイメージが強いですが、五島うどんもめちゃくちゃおいしい。しかもこの二つのタレは、どちらもうどんにぴったりでいくらでも食べられてしまう、素晴らしい組み合わせです。

五島産の麺でちゃんぽんを作る

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さらに、中通島のスーパーで買ったちゃんぽん麺とスープで、長崎ちゃんぽん的なものも再現しました。このときは、バターを入れたジャンクバージョン。

 

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このちゃんぽん麺もすごくおいしかった。スープも豚骨ベースで濃厚。野菜もたっぷり食べられるし、よいものでした。

今回は上五島をちょっと回るだけの旅でしたが、いつか中通島の南のほう、それから下五島も巡ってみたいなと考えています。以上です。

お題「行きたい場所」

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