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ぶち猫おかわり

料理ときどきぶち猫二匹

食卓で四季を楽しみたい。国産松茸で六番勝負に挑んでみた

料理

秋なので、松茸を大人買い

松茸は好きですか? わたしはまあまあです。

香りは魅惑的だし季節感もあるけれど、国産松茸はとにかく高価なので、おいしいお肉を買ってきのこ鍋でもするほうが有意義なのでは?と思ってしまいます。

ただ、よく考えると、偉そうなことを言えるほど国産松茸を食べた記憶がない。よく知りもせずに、松茸を悪く言うのはフェアではない気がする。あと、いちど松茸をバリっと調理する経験もしてみたい。

そんなモヤモヤが湧いてきたので、移転延期中の築地市場にて、国産松茸を大人買いしてきました。

 

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右が、広島産の松茸。左は、中国産松茸。

素人ですが、国産松茸をリーズナブルに買うために以下の三点を工夫しました。

  1.  出始めは高価なので、シーズン半ば以降を狙う。
  2.  デパートやスーパーではなく市場で買って、卸売価格を狙う。
  3.  市場の休前日(土曜)の遅めの時間に行って、さらなる値下げを狙う。

という感じで、割とリーズナブルに大人買いできたと思います。また、割安な外国産の松茸とどれくらい風味が違うか確認したかったので、比較用として、中国産の松茸も一箱買いました。

外国産の松茸としては、中国・韓国産の他に、北米産や北欧産を見かけますが、このうち北米産は香りや食感は類似するが厳密には別種だそうです。一方、北欧産はDNA的には日本のものとかなり近いとのこと。いずれにせよ今回は同一種と思われる中国産で比較してみることにします。

参考:マツタケ - Wikipedia

その他の主な材料

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せっかく築地場内まで行ったので、他にも魚介類を仕入れました。まずはアイナメ。お店の人によると唐揚げで食べるのがお勧めとのこと。それから、価格がこなれてきた秋刀魚

 

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場内でまぐろを買うときは、フジタ水産に行くことにしています。右のブツは、大間産。赤身に中トロが混ざっていておいしそう。左の柵は、天草の養殖物の赤身

 

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北海道産の鱈の白子。白子は、ピンクがかった白で房がプリッとしているものがよいそうで、これはなかなかよかった。

 

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その他野菜など。春菊と、そういえば今年はほとんど食べなかった名残の冬瓜、長芋、生わさびと菊花です。あとは冷蔵庫の中にある野菜でなんとかしようと思います。

松茸の下拵え

食材をおいしく調理するためには下拵えが大切です。

今回、松茸の下拵えには詳しくないので、こちらのサイトを参考に、調理する直前にため水でさっと表面を洗って拭く、石づきを鉛筆のように削る、すぐに使わない分はキッチンペーパーにくるんでジップロックに入れて冷蔵庫で保管という感じにしました。

www.sirogohan.com

さて、松茸を調理していきましょう。

六種類の調理を試したので、六番勝負と題してみました。

第一戦 焼き松茸食べ比べ(松茸秋刀魚定食)

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まずはシンプルに、松茸を二つに割ってからロースターで焼きました。国産と中国産の食べ比べ。左が国産で、右が中国産です。海塩をふり、かぼすをじゅっと絞って、熱いうちにいただきます。

う〜〜ん。なるほど……!!

どちらの松茸も噛んだ瞬間に独特の香りが強く感じられ、また弾力のある歯ごたえが心地よい。ただ、食べ比べると、国産松茸のほうが、香りが上品で口の中に長く余韻が残る。なんというか、特別感がとても強い。一方で、食感はそれほど変わらない印象を受けました。

 

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全景です。題するならば、松茸秋刀魚定食。

松茸を食べ比べしつつ、脂の乗った秋刀魚の塩焼きを大根おろしでつつく傍らで、二種類のお魚小鉢も楽しめるという贅沢仕様になりました。味噌汁は、おかひじきと油揚げです。

 

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魚の小鉢ですが、左は大間のまぐろと長芋の刻みに生わさびを添えたもの。鉄板ですね。右は、アイナメをまずは薄造りにしてみました。貝割れ菜を添えてポン酢で。歯ごたえもよく、なかなかおいしい。

生わさびの扱いについては、このあたりが参考になります。うちは鮫肌のわさびおろしを使っています。

鮫皮おろし 長次郎 小

鮫皮おろし 長次郎 小

 

第二戦 松茸と白子のペペロンチーノ

次はちょっと変わり種で、中国産松茸と鱈の白子を合わせてペペロンチーノを作りたいと思います。

下拵えと準備

  • 松茸は石づきを削り取ってスライスしておきます。
  • にんにく一欠は細かいみじん切りにし、白子は臭みを取る下ごしらえをしてから一口サイズに切り分けます。
  • パスタを茹でる用のお湯を沸かし、塩を入れておきます。

cookpad.com

調理過程

f:id:buchineko_okawari:20161103204028j:plain冷たいフライパンにオリーブオイル、にんにく、鷹の爪を入れて、弱〜中火にかけてゆっくりと温めます。にんにくがチリチリを焼けていい匂いがしてきたら、松茸を入れて油を絡めるようにソテーします。松茸が油を吸ってクタッとしてきたら、一度バットなどに取り出しておいておきます。 


f:id:buchineko_okawari:20161103204030j:plainにんにくと油が残ったままのフライパンにバターを追加し、小麦粉(あれば強力粉)と軽く塩をした鱈の白子を入れて両面を香ばしく焼きます。白子に小麦粉をまぶすときは、使い捨てのポリ袋に白子と小麦粉を一緒に入れて口を閉じて振り回すと簡単です。パスタは茹で時間に合わせて適宜茹で始めます。


f:id:buchineko_okawari:20161103204033j:plainパスタを茹でているお湯をお玉でフライパンに掬い入れ、フライパンを揺すって乳化させます。塩で味を整えたら、茹で上がったパスタ、取り分けてあった松茸と合わせ、最後に挽きたての黒胡椒をふりかけます。

 

パスタの作り方を理解したい場合には、ラ・ベットラ落合シェフの本がお勧めです。手順の意味が文章でロジカルに説明されているので、腑に落ちて身につきます。

イタリア食堂「ラ・ベットラ」のシークレットレシピ (講談社のお料理BOOK)

イタリア食堂「ラ・ベットラ」のシークレットレシピ (講談社のお料理BOOK)

 

できあがり

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できあがりです。パスタは以前に手打ちして冷凍しておいたもの。全体に白子の効果でコクがありつつクリーミー。にんにくと松茸の香りがほどよく調和していました。松茸本体を食べたときも松茸の香りなのですが、パスタや白子にもほんのりと松茸の香りが移っていて、それがとても贅沢でおいしい。

 

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冷蔵庫にあった根菜を刻んで野菜スープにしたのと、ロゼワインを添えました。

第三戦・第四戦 松茸ごはんと松茸のお吸い物

さて、本命。国産松茸を贅沢に使って、松茸料理の定番、松茸ごはんと松茸のお吸い物を作っていきます。

松茸ごはんもお吸い物もベースになるのは出汁です。松茸の香りを最大限楽しめるよう、今回は鰹節を使わず、昆布だけで出汁をひいていきます。

科学的に正しい昆布出汁の引き方

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昆布出汁については、昆布を60度で60分間で浸漬した場合に、だし汁に含まれるグルタミン酸(旨味成分)量が一番多くなるという実験結果があるので、これに従って科学的に正しい出汁を引きます。

具体的には、保温性のよい鍋で60度くらいに沸かしたお湯の中に出汁用の昆布を入れて蓋をしてそのまま放置すれば、だいたい大丈夫です。

ci.nii.ac.jp

こういう作業のときには、写真のような非接触の温度計があると実験気分が盛り上がって楽しいですが、一般のご家庭には特に必要なものではありません。

シンワ測定 放射温度計B レーザーポイント機能付き 73010

シンワ測定 放射温度計B レーザーポイント機能付き 73010

 

 

松茸ごはんの調理過程

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昆布出汁を引いている間に、下拵えをした松茸(今回はお米2合につき2本)をスライスし、米2合を研ぎます。研いで水を切った米を昆布出汁(1合あたり200cc)に15分〜30分ほど漬けてから、味付けをしてスライスした松茸を乗せて炊きます。味付けは、酒大さじ1、薄口醤油大さじ1と濃口醤油小さじ1/2です。

 

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今回はもうひと工夫。先ほどご飯に炊き込んだものとは別に、下拵えした松茸(1本)をスライスし、網焼きにします。

香ばしく焼いた松茸を炊き上がった松茸ごはんの上にのせることで、炊いた松茸と焼いた松茸の二種類の香りと味わいが楽しめるしくみ

松茸のお吸い物

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松茸のお吸い物には、松茸のほかに、冬瓜、銀杏、三つ葉とカボスを入れます。

手順は、以下のとおりです。

  • 冬瓜を一口大に切って下茹でする。
  • 上記の方法で引いた昆布出汁に、下拵えしてスライスした松茸、下茹でした冬瓜、殻を剥いて軽く炙った銀杏を入れて、沸騰させないように温める。
  • 塩、酒と醤油で味付けし、お椀に盛り、刻んだ三つ葉と半月に切ったかぼすを添える。

できあがり

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できあがりです。

松茸ごはんは、もう文句なしのおいしさ。香ばしい匂いときのこならではの旨味が効いていて、控えめに言って最高でした。追加で乗せた焼き松茸は炊き込んだ松茸とは香りも食感も別物で、やるかどうか迷ったら絶対やってみてほしい。

松茸のお吸い物も上品な味わいで、松茸の旨味と香りで季節の野菜を食べるのが、おいしくないわけがない。大満足でした。

 

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全景です。おかずは、左上から時計回りに、鮪の刺身、アイナメの唐揚げ、春菊と菊花のポン酢和え、松茸のお吸い物、松茸ごはん、柿と大根のなます。

 

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この中では、アイナメの唐揚げが特においしかった。三枚におろしてから一口大のぶつ切りにしたアイナメを醤油とみりん(1:1)+生姜の汁に漬け、汁を切ってから片栗粉をまぶして揚げるだけなのですが、とてもジューシー。

身が柔らかくて、噛むとじゅわっと旨味が溢れてきて、醤油味がよく合いました。これからの季節におすすめです。

第五戦 松茸の天ぷら

ついでにちょっと変わり種を試してみました。松茸の天ぷらです。

 

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レシピは特になく、下拵えをして二つに切った松茸に天ぷらの衣をつけて170度くらいの油でカラッと揚げる。ちなみに、先程の非接触の温度計は天ぷら油の温度を測るときにもべんりではあります。

 

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かぼすを絞り、おいしい塩を付けながら食べる。熱々の天ぷらをサクッと齧ると、国産松茸ならではの上品な香りときのこ特有の歯ごたえに加えて、揚げることで凝縮された水分がじゅわわ〜〜〜と溢れてくる。他の食べ方では味わえないおいしさがありました。

 

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ついでに、残っていた鱈の白子も同じように揚げました。外はカリッと中はトロトロで、同じくおいしかったです。

第六戦 松茸と宮崎牛のすき焼き

最後は、街でときどき見かける松茸のぜいたくな食べ方、すき焼きに挑戦します。
 

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これも特にレシピはなく、下拵えした松茸はスライスし、いい感じの牛肉を手配し、あとは各々のおうちの作法に従ってすき焼きの準備をします。

 

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うちは適当なのですが、今回は松茸と牛肉の他には九条ねぎと焼き豆腐を用意しました。割り下は、醤油とみりんと料理酒が1:1:1の割合のもの、焼いた後は溶き卵につけて食べるタイプです。

 

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ポイントがあるとすれば、卓上コンロを二つ用意するところ。一つのコンロですき焼きを準備する間に、もう一つのコンロではスライスした松茸を焼きます。

 

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焼いた松茸は、そのままかぼすと塩で焼き松茸として食べるのもありです。香ばしくてめちゃめちゃぜいたく。

 

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あくまでも松茸すき焼きとして食べる場合には、まずフライパンで牛脂をよく温めた後に葱に焦げ目がつくまでよく炒め、

 

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すき焼き用の肉を焼き、割り下で火が通り過ぎないようにさっと煮たところで、

 

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牛肉と焼き葱と焼き松茸を溶き卵の中に入れて、一つにまとめて口に入れます。お肉もお肉のエキスを吸収した青葱もおいしいけど、焼き松茸の香りや食感も最高という感じで、これ以上のぜいたくはないかもしれない。

 

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さらに、後半、これまでたくさんの肉を浸してきた溶き卵の残りをご飯にかけて卵かけご飯にした上に、すき焼き肉と焼き松茸を乗せて、割り下をちょろっとかけて食べるというような反則技も使えるようになります。

 

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一緒に用意した小鉢は、まぐろ山かけと白子ポン酢。

 

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あと写真では飾りに見えた菊花ですが、当然食べられます。すき焼きの終盤に、写真のようにばらして割り下で軽く煮てから食べるとおいしいです。

まとめ

という感じで、国産の松茸を一通りやってみました。

感想としては、松茸料理にもいろいろあってかなり楽しかったことと、機会があればまた挑戦してみたいこと。

というわけで、お財布事情と国産松茸の値段が許せば、来年もまた国産松茸を買っていろいろなものを作るというのが楽しそうです。

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お題「好きなきのこ」