アパートメントホテルの朝ごはん
ヘルシンキ2日目は、朝ごはんから。アパートメントホテルでは朝ごはんがついていない代わりに、自分でキッチンを使って好きなものを用意することができます。と言っても、素材から作るのは大変なので、買ってきたお惣菜をお皿に並べただけ。
胡椒つきのハム、シーザーサラダ、ローストチキン、ラザニアに生のラズベリーと気になったもの全部盛り。左上のちょっと変わった形のパンは、「カリヤランビーラッカ」と呼ばれる伝統料理で、牛乳粥をライ麦粉の生地で包んだパイです。違和感なく美味しい。ヘルシンキはどこで食べてもパンがすごく美味しくて種類も豊富でした。
淹れたてのコーヒー、それからヨーグルトマンゴー飲料と一緒にゆっくりと頂きました。
ヘルシンキ市内でお惣菜を買う
お惣菜の調達は、ヘルシンキ中央駅の近くにある高級デパート、Stockmannの地下食料品売場にて。日本のデパ地下と似た雰囲気ですが、少々高級ラインのお惣菜や食材がところ狭しと並んでいて、眺めているだけでも楽しいです。少量から買うこともできます。
ちなみに、Stockmannの1階にあるRobert's Coffeeはあちこちで見かけるチェーンストアなのですが、ジェラートがめちゃめちゃかわいい(ウェブサイトもかわいいです)。
思わず買いました。大きいので二人で一つでも十分。ちゃんとフルーツの味がしておいしい。ホットコーヒーは紙コップが持てないくらい熱いです。
一方、ヘルシンキ中央駅の地下にある24時間営業のS-marketは、Stockmannよりも庶民的な雰囲気。でも十分おいしそうで種類も豊富。
S-market: Etusivu - ruokamyymälä - päivittäistavarakauppa
ハムだけでこれだけの種類があります。悩みに悩んで胡椒つきのものを選びました。他にヨーグルトの棚も無限に続くのではないかと思うくらいありました。
さて、観光にでかけます。といっても、この日は日曜日。ヘルシンキでは市場を含む多くのお店は日曜はお休みなので、いろいろ考えて、島に行くことにしました。ヘルシンキの群島は個性に溢れて、どれもとても魅力的なのです。
ヘルシンキ大聖堂
島に行く前にヘルシンキのシンボルと言われているヘルシンキ大聖堂に立ち寄りました。白亜の美しい聖堂です。目の前に広がる元老院広場には観光バスが連なって停まっていて、一大観光スポットでもあります。
裏から中に入ることもできます。入場は無料。
高いドーム状の天井に吊られたシャンデリアとパイプオルガン。天窓から柔らかく光が差し込んでいました。
参拝者が寄付することで灯すことのできるキャンドルライト。ヘルシンキではよく見かけました。
マーケット広場とフェリー乗り場
ヘルシンキ大聖堂を海の方に進むとマーケット広場があります。オールドマーケットの建物の近くですが、残念ながらオールド・マーケットは日曜はお休み。
マーケット広場には、日曜でもお揃いのオレンジ色のテントを張ったお店が立ち並んでいます。ほとんどはベリー、軽食と観光客向けの雑貨を売るお店。
マーケット広場の一角に、群島へ向かうフェリー乗り場があります(写真とは別の船)。周遊チケットは、1人5ユーロ。今回は、2016年5月に新しく公開されることになったというヴァッリサリー島と世界遺産にも登録されているスオメンリンナ島を巡ることにします。
ヴァッリサーリ島へ
水色のかわいいフェリー(写真はスオメンリンナ島)。ヴァッリサーリ島への乗船時間は15分ほど。
ヴァッリサーリ島は、元々フィンランド国防軍に使用されていたものが、今年になって新しく一般公開されたものだそう。軍事利用されていたとは想像しがたい、のどかな雰囲気。写真は、おそらく軍によって使用されていた倉庫または事務室。赤レンガと煙突の青色がかっこよすぎる。
島の中ほどにあった、廃屋のようでいてきちんと植木が手入れされている家屋。
なぜか空に向かって伸びる階段と豊かな自然。都市部よりもずっと植物が自由な感じでのびのびと生い茂っています。
この島に伝わる民話があるらしく、各所にこのような看板がありましたが、英語を全部読む元気が残っておらず、詳細は不明です。
港の反対側あたりにある、隣の小さな島に渡るための橋。隣にヨットハーバーがあり、海風が本当に気持ちよかった。ぐるりと散歩して一時間くらい。フェリーは一時間に一本の頻度だったので、ペース配分には気をつける必要があります。
スオメンリンナの要塞
再びフェリーに乗り、お隣のスオメンリンナ島へ。スオメンリンナは、18世紀の半ばに群島船団の基地として築かれた要塞で、今は世界遺産に登録されています。群島船団という言葉だけでもかっこよすぎるのに、要塞とは。
今は居住地区にもなっており、ピクニックなどに出かける人が多いとのこと。確かに風が気持よく吹き抜ける芝生が多くあり、眺めていると寝そべって昼寝したくなってしまいます。島内はそれほど広くないのですが、点在する遺跡と居住地区とが自然に融合しており、不思議な雰囲気です。
島内にあった造船所。
赤い壁の建物を貫くトンネル。
赤煉瓦の建物。
スオメンリンナ島にはビールの醸造所があるので、地ビールを飲むこともできます。
Restaurant Suomenlinnan Panimo - Restaurant Suomenlinnan Panimo - About Us
飲みました。苦味が強めで香りが豊かでさっぱりしたビールだった(気がする)。
さらに、もう少しだけ歩いてから、レストラン・ヴァルハラが運営するピッツェリア・ニコライのテラスで、サーモンのピザを食べました。サーモンのピザって、食べたことありますか。わたしは初めてだったのですが、海風の気持ちがいい屋外のテラスで食べたことを差し引いても、想像の10倍くらいはおいしかったです。
スオメンリンナは群島なのですが、一群の島の間には橋がかかっていて、徒歩で渡ることができます。
見る時間はなかったのですが、島内には博物館もあり、ミュージアムショップなどもあります。写真はその中にあったカフェのガラスケース。フィンランドはとにかく甘い焼き菓子の種類が信じられないほどたくさんあり、見飽きないのでした。
再びフェリーでヘルシンキの街へ戻り、南港の周囲を散歩。これは海沿いにある大きな観覧車。一般の人も乗ることができます。
赤煉瓦に緑色の屋根が印象的なウスペンスキ寺院。手前の大きな岩の上に人がいるのが見えますか。フィンランドの人たちはこのような大岩の上に乗ることを好むようで、ハラハラするような場所でくつろぐ様子をあちこちで見かけました。
ウスペンスキ寺院近くの停船所。個性的な船が並んでいて、順番に眺めるだけで面白い。
このように美しくて個性的な建物が街角に普通にあり、実際に使われています。ヘルシンキの街はそれが徹底されていて、適当な外観の建物はほとんど見かけませんでした。
Kaislaで地ビールを追加
歩き疲れたし、もう少しビールが飲みたいということで、カイサニエミ駅近くで地ビールが飲めるバー、Kaislaへ。地元の人が訪れる雰囲気のお店です。地ビールの種類は多く、これは生ビールの中から適当に指差して選んだもの。
広くていい雰囲気の店内。クリーンで店員さんも親切。お客さんのマナーもよい。
レストラン"SALVE"でフィンランドの伝統料理
ビールを飲んでいたら、お腹が空いてきたので路面電車(トラム)で移動。
ハカニエミ市場の近くにあるレストランSALVEに向かいました。フィンランドの伝統的な料理で有名なレストランです。夜遅くまでテーブルが埋まっていたので、予約をしておいたほうが無難。
まずはビール(フィンランドでよく見かけた熊マークの地ビール)とセルフサービス形式になっているサラダ。ピンク色のものはビーツだと思います。この後のことを考え、取り過ぎないようにする大人の対応。
ここの名物は、ニシンのフライです。頭と内臓をとったニシンをシンプルに揚げたものなのですが、サクッと香ばしくて、意外と軽くて、すごくおいしい。ビールに合うし、小骨も全然気になりません。
もう一つ食べてみたかったサーモンスープ。クリームベースです。スパイスが利いています。見た目よりもさっぱりしていて、洗練されている。控えめに言ってすごく美味しい。また食べたい味。
そして北欧といえばミートボール。これも本当に美味しかった。ミートボールはしっとりして肉肉しく、コクのあるソースがよく絡んでいる。下にたっぷり敷かれたマッシュポテトはそれ自体も美味しいけど、ソースと一緒に食べるともう最高としか言いようがなくて、最後お腹がいっぱいになりすぎて食べきれなかったものを持って帰りたいくらいでした。
もうこれ以上食べられないという状態で、アパートメントホテルに戻る途中で見たクレーンの群れ。夕暮れのようですが、23時過ぎ。白夜なのでいつまでも明るいのです。
この日は一日中歩きまわり疲れたので、部屋に戻ったあと、シャワーを浴びてからあっという間に寝てしまいました。
北欧紀行
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