ぶち猫おかわり

料理ときどきぶち猫二匹

太刀魚を15匹食べる方法

太刀魚が21匹やってきた

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太刀魚を釣りに行くとは聞いていたものの、まさか21匹も持って帰ってくるとは思わなかったわけです。しかもちょっと小さめのサイズ。

「倍のサイズで半分の量だったらよかったのに」という思いが頭をよぎりましたが、そんなことを考えてもしょうがないので、とりあえず、水洗いしてワタを出して、心を無にして捌きました。

捌き方はこの動画を参考にしました。

sabakeru.uminohi.jp

太刀魚は長いので、基本的には二つに切ってから捌くことになり、最終的には普通の魚に換算して30匹以上の作業をしたことになります。作業開始から2時間以上かかり、足が棒になった頃にようやく完了。なんらかしらの修行に近い。

その過程で、これは絶対全部は食べきれないということになり、うち6匹を友人に引き取ってもらうことになりました(この時点で、残り15匹)。

太刀魚の炙り、塩焼き、アラ汁

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初日の夜ご飯です。料理に入る前の段階で体力が限界だったため、太刀魚以外の食材がほとんど使われていないけれど、ゆるしてほしい。

 

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「釣りたての太刀魚は刺身で食べろ」という助言を頂いたため、皮目をバーナーでまんべんなく炙ってからそぎ切りにしました。お醤油で頂きます。

とにかく臭みがゼロ。淡泊ながらほどよい脂もあって口の中でとろける。がんばって21匹捌いた甲斐がありましたね。お店で買ったものだったら、こんなに臭みがゼロのすっきりとした味わいにはならなかったと思います。

 

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太刀魚の半身(正確には1/4身)の皮目に包丁を入れて、ロースターで塩焼きにしたもの。太刀魚は焼くと身がふわふわと柔らかく、皮目は香ばしく、その間からじゅわっと脂がしみでてくるところがたまらなくおいしい。

 

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沸騰直前まで温めたお湯に太刀魚のあらを入れて煮出し、あくを取って塩と酒で味付けをしたアラ汁。長葱の薄切りを散らしています。太刀魚の出汁は淡泊で上品な風味。でも決して物足りなくはないところがいい。

なお、まだ食べるところがあるかなと思ってアラをそのまま器に盛り付けましたが、太刀魚は細かい骨が多くてすごく食べにくいので、アラ汁を作る場合、アラは盛り付け前に取り除いてしまうのがよいという結論になりました。

あとは、炊き立てごはんと博多ふくやの明太子でした。

太刀魚のパスタ

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二日目の朝ごはんは、太刀魚と玉ねぎ、ローズマリーのパスタにしました。

太刀魚は表面をペーパータオルで拭いて、一口サイズにカットした後、薄力粉と一緒にポリ袋に入れて振り回してまんべんなく粉をふります。

テフロンのフライパンにオリーブオイル、潰したにんにくひとかけ、薄切りにした玉ねぎを入れて弱火でじっくりと火を通し、香りが立ってきたら太刀魚を並べてなるべくいじらないように火を通します。太刀魚は火を通すと崩れやすくなるので、テフロンのフライパンを使って、とにかく優しく扱うのがコツ。

並行してパスタを茹でておき、太刀魚が両面こんがりと焼けたら取り出して、フライパンにはバター10gとパスタのゆで汁を入れて、軽くふって乳化させて、パスタがゆで上がったらよく混ぜ合わせます。

味を見て足りなければ塩で調整し、器に盛り付けてから太刀魚とローズマリーを添えます。唐突にローズマリーが出てきたのは、今ベランダで育てていて、使い放題だからです。

焼いた太刀魚は上品なふわふわとカリカリでパスタにもよく合い、塩だけのシンプルな味付けがハマりました。

北陸アルミ フライパン キャストスタイル 28cm

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北陸アルミ ルックインスタンド カバー M (22~26cm) JY-702

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太刀魚のかば焼き

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という舌の根も乾かないうちに、味濃い目の太刀魚料理です。

太刀魚はパスタと要領で、片栗粉と一緒にポリ袋に入れて粉をまぶしてから、サラダ油を薄くひいたテフロンフライパンで表面がカリッとするまで焼きます。

そこに、調理酒大さじ2、砂糖大さじ1と醤油大さじ1を加え、フライパンを傾けて煮詰めてから太刀魚によく絡めます。温かいご飯の上にのせて、千切りにした紫蘇を添えれば出来上がり。

表面はカリカリこってりで白ご飯に合う仕上がりなのですが、中心部はふんわり優しい味わいが残っていて、これはこれでおいしい。ビールにも合う!

付け合わせは、油揚げの中に納豆を入れて焼いたもの、という大豆尽くしでした。

太刀魚のなめろう、太刀魚の炊き込みご飯、太刀魚なめこ汁

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二日目の夜ご飯。

昨夜は表面を炙っただけのシンプルな調理でしたが、二日目はちょっとひねってなめろうにしました。太刀魚は皮目をバーナーで炙った後にぶつ切りにして、みじん切りにした生姜、千切りにした紫蘇と和えて叩いてあります。

フレッシュな生の旨みを楽しみたかったので、この時点では味付けはなし。別に添えた醤油をつけながら食べる趣向。

 

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左側は、太刀魚の炊き込みご飯。太刀魚のアラで取った出汁で炊いたご飯に、別にロースターで焼いた太刀魚の身をほぐして混ぜ込んであります。とにかく太刀魚の旨みが凝縮された炊き込みご飯。濃厚なのですが、全くくどくないところがさすが。焼いた皮目の香ばしさも手伝って、ついお替りしてしまいました。

右側のなめこ汁もベースは太刀魚出汁です。家で魚を捌くとたくさんアラがでるので、アラを使った出汁料理がはかどりますね。

 

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全景ですが、他にふくやの明太子、冷やしトマトを添えました。太刀魚に振り回されながらも野菜を取ろうと一生懸命がんばっている姿勢を評価してほしい。

太刀魚の梅しそ揚げ、太刀魚たまご納豆、太刀魚出汁茶漬け

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この日は月曜日でした。転職して1年が経ちますが、月曜から普通に夜ご飯を作ることができるくらい生活が安定して、本当によかったと思います。たまに聞かれますが、絶対に前の職場には戻りたくないです。

 

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一品目は、太刀魚にしそと梅干を叩いたものを乗せてくるっと巻いて、天ぷらにしたもの。一回くらい揚げ物しようと思ったのですが、実際にやっていてえらい。

太刀魚の身は火を通すとふんわりするところ、揚げると表面の香ばしさと中心部のふわふわ感のギャップが焼いたときよりもさらに大きくて、まさに口の中でとろける~~という感じになりました。

平日から揚げ物をするだけの価値は間違いなくあった。

 

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二品目は、納豆の上に皮目を炙ってぶつ切りにした太刀魚、卵黄をのせて、ちょろっとお醤油をかけたもの。まだお刺身でいけるかなと思ったのと、単にわたしが納豆と卵黄が好きなので作った料理です。

かなりおいしかったけど、白ごはんがほしくなってしまった。

 

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しかし、この日は昨夜の太刀魚炊き込みご飯がまだ残っていたので、これを焼きおにぎりにしたものに、さらに太刀魚の出汁をかけて食べたのです。とろろ昆布を添えています。

太刀魚出汁を使って炊いた太刀魚炊き込みご飯に、さらに太刀魚の出汁をかけて食べるという過剰すぎる料理ですが、意外とさっぱりしていて非常においしかったです。

太刀魚がたくさん釣れて調理法に困ったときなどにぜひ試してほしい。

太刀魚の味醂干し、太刀魚のすまし汁

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遂に最終日です。これで終わりなので、ここまで読んでしまった人は最後まで付き合ってくれるとうれしい。この中で太刀魚要素があるのは、左上の味醂干しと中央のすまし汁のみ。

他は、ブロッコリ豆腐(豆腐の上に茹でて刻んだブロッコリをのせて市販のドレッシングをかけた)、かぼちゃの天ぷら(昨夜の揚げ油を再利用)、ふくやの明太子寿司(酢飯にほぐした明太子、千切りのしそを混ぜたもの)です。

 

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太刀魚の味醂干しは、白ごはん.comのレシピを流用して作りました。夏だったので、バットに網をしいた上にのせて、冷蔵庫で1日半ほど乾燥させました。

ロースターで表面をこんがり焼いて食べるのですが、これがまたおいしい。水分が飛んだ分、旨みが凝縮された感じ。

www.sirogohan.com

 

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初日の教訓を生かして、出汁を取った後のアラを取り除いて、油揚げと小口切りの葱のみを淹れた太刀魚のすまし汁。ちょっともったいない気はするのですが、アラを食べるのは非常に難しいので、見た目からも食べやすさからもアラは濾してしまうのが正解だと思います。

 

ここまで、太刀魚がうちに来た日(釣り上げられた日)から5日間です。こんなに太刀魚を食べまくった5日間はこれまでもこれからもないと思う。完走した気分。

この時点で残っていた太刀魚はすべて味醂干しにして、多少日持ちがするということだったので、週末にかけてゆっくり食べました。

書籍が出ました

日々をたのしむ器と料理

日々をたのしむ器と料理

 

基本的には器の本ですが、各章の末尾に、特別な器具や調味料を使わないで簡単に作れるレシピを合計54個も書き下ろしました。リンク先に目次やページ見本もあるので、よかったら見て下さい。

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