ヴァイキングラインの朝ごはん
5日目の朝。目が覚めたら海の上でした。天気は、曇りときどき小雨。船はすでにストックホルムの近海に差し掛かっていて、窓の外には群島とすれ違う船の影がありました。
朝ごはんは、ビュッフェを予約していました。前夜はぐっすりとよく眠れたので、すっかり食欲も戻って元気。
ビュッフェの模様。中央の大きな島状のところに料理があり、自由に取って回るスタイル。ヴァイキングラインでは、ここまで一度も日本人らしき姿を見かけませんでした。アナウンスなどもすべて現地語と英語のみ。ただ、乗客も含めてみんなとても親切だったので、特に困ったことはありませんでした。
朝ごはん。気になったものセレクション。北欧のおいしいものということで、サーモン、ハム数種類とミートボール。よく見かけた薄焼きパンとチーズ、そして珈琲です。つい欲張ってたくさん食べてしまう(毎回)。
ついでに船内を探検。メインダイニングとは別に軽食を摂ることのできるカフェもありました。これはこれでおいしそうだった。
曇り空の中、船はどんどんストックホルムに近づいて行きます。どの島にも素敵な建物が立っていて絵になる不思議。
窓の外の景色がどんどん都会になっていき、船はストックホルムに到着しました。
乗ってきた船。遠目に見てもかっこいい。楽しい船旅をありがとう。
そして、ヴァイキングラインのインフォメーション。赤い壁が素敵。
ここ(インフォメーションデスク)でストックホルム市内を移動するために、72 Hour Ticket(SLカード)を購入しました。地下鉄やバスなどの公共交通機関が72時間乗り放題になるチケットです。
ヴァイキングラインの港からは、SLカードを使って早速バスで移動。ヘルシンキと同じくストックホルムのバスも車内は広々としていて、大きなトランクを持ち込んでも全く問題ありませんでした。
Slussenn(スルッセン)駅前にて、フェリーに乗り換え。写真はフェリー乗り場。
このフェリーもSLカードが使える上、便数が多いのでとてもべんり。行き先は、現代美術館のあるSkeppsholmen(シェップスホルメン)島です。
Hotel Skeppsholmen
船とバスと船を乗り継いでたどり着いたのは、ストックホルム滞在中の宿。
Skeppsholmen島にある、その名もHotel Skeppsholmen. ウェブサイトを見てどうしても泊まりたくなり予約した念願のホテルです。
HOTEL SKEPPSHOLMEN – ストックホルムの新たな都会のオアシス | Hotel Skeppsholmen
ホテルの建物は「スウェーデン王国海軍の宿舎として 1699 年に建てられたもの」とのことで、シンプルで実用的な構造なのですが、長い年月を経てきた独特の雰囲気があり、とにかく素敵。こんなホテルに滞在できるなんて夢のよう。
庭も美しくて、もう言葉もない。
入館と入室はカードキー。室内はとても清潔で近代的。モダンな雰囲気です。壁掛けの大きなテレビもついています。
ベッドルームの他に、シンプルな黒いデスク。電源もたくさんありました。
バスルーム。全面黒タイルのおしゃれな雰囲気。バスタブはありませんが、シャワーの出がとてもよく気持よく入浴できました。ここのアメニティは香りがとてもよくて、思わず使い差しを持って帰るほど気に入ってしまいました。
ストックホルムの街歩き
さて、荷物をホテルに置いて街歩きに出発します。Skepsholmen島から市の中心部へは、フェリーに乗るほかに橋を渡って行くこともできます。この橋、十分な広さがあるのですが、高所恐怖のあるわたしは少し渡るのが怖かった。
橋の上から見たストックホルムの街(怖くても写真は撮る)。曇空ながら美しかった。
市内の美術館を横目に見つつ、電車で移動します。
エステルマルム市場でお昼ごはん
電車を乗り継いで向かったのは、エステルマルム市場。ストックホルム市内に3つある大きな市場のうち、高級住宅街にあるものです。
今回の旅でたくさんの素敵な市場を見たのですが、一番好きなのどれかと言われたらここ。隅から隅まで、美しくておいしそうな食べ物がぎっしり。写真は肉屋です。
天井が高くて開放的で、かつ、とても衛生的なホール。
こちらはお惣菜屋。中央の、焼く前の串がものすごく美しくて、次にバーベキューをやるときは絶対に真似したい。
こちらもお惣菜屋。一つ一つの箱の中に小宇宙がある。
チーズ屋。ただ並んでいるだけなのにおしゃれでおいしそう。
このようなお店のウィンドウの中には…
なぞカプセルがぎっしり。液体のお惣菜のようでしたが、正体は不明。
市場の両側はカジュアルなレストランになっていて、食事をすることができます。
わたしが頼んだのはサーモン。北欧にいるのに、まだ正面からサーモンと向き合っていないことに気付いたのです。肉厚のサーモンはそのままでも美味しいのですが、ディル入りのちょっと甘いマスタードをつけるとさらに美味しい。
付け合せは、茹でた小さなじゃがいもをクリームのソースとディルで和えたもの。これは本当に初めて食べたのですが、やたら美味しかった。でも食べきれないほどの量。さらに、パンとサラダもついてきます。このパンも、特に薄いほうが香ばしくていい。適当に入ったお店でこんなにご飯が美味しいの幸せすぎるな。
市場を出て、新市街のあたりをふわふわと散歩。歴史を感じる建物に突然プロジェクションマッピングが投影されていたりして、不思議な街並み。
アドルフ・フレドリック教会
Kungsgatan(クングスガータン・通りの名前)からSveavagen(スベアベーゲン)をそぞろ歩き、ふと通りすがった美しい教会。街の人たちの通り道になっていて、誘われるように参道へ。
街中にあるとは思えない静謐さの墓地。
シックな屋根の色に見とれていると、どうぞ中に入っていってくださいと声をかけてもらう。
特に入場料などはなし。一隅に静かに座って祈る人あり。
見上げると美しい天井画。あとで地図で調べたところ、アドルフ・フレドリック教会という名前の教会でした。
ストックホルム市立図書館
教会を出てSveavagen(スベアベーゲン)をさらに進むと、左手に赤茶色の建物が見えます。一度訪れてみたいと思っていたストックホルム市立図書館。世界で一番美しい図書館と呼ばれている施設です。開館時間内であれば、自由に入ることができます。
入り口から続く階段を登ったところ。円形の建物の壁際にずらりと並ぶ本。
三層になった書庫の最上階から見下ろしたところ。ライティングが絶妙で本の背表紙が発光しているように見える。映画の世界に迷い込んでしまったような不思議な浮遊感のある図書館。確かに美しかった。
だいぶ歩き疲れたところで、図書館近くのCafe Valandで休憩。素朴で懐かしい雰囲気。珈琲を飲んで、少し元気を取り戻す。
旧市街(ガムラスタン)とSlussenn(スルッセン)駅
大通りを一通り歩いたので、地下鉄に乗って、旧市街(ガムラスタン)へ。旧市街自体は明日以降にゆっくり見る予定だったので、地下鉄出口の川べりを歩く。なんでもない川べりが妙に絵になる。
ドイツ教会の鋭角な尖塔を眺めつつ、Slussenn駅へ。
駅前にあるニシン屋台。ニシンのフライのサンドイッチなどを売っていて、すぐ横のベンチで食べている人がいました。お腹に余裕があれば挑戦したかった。
Slussenn駅前にある赤レンガの古いホテル。
展望レストラン。湾に突き出すように建っていて、きっとすごくいい眺めなんだろうけど、高所恐怖症のわたしには無理だなと思った。
Gotgatan(ヨートガータン・通りの名前)を南下して、SALUHALL前の広場へ。ここも市場なのですが、到着したときには18時を回っていたので、外から眺めるだけ。広場にはまだまだ人がたくさん。
SALUHALLを抜けた裏側にあるFatbursparkenには、半円の弧を描く不思議な建物。石碑には、これは住宅なのだというようなことが書いてあったような気がする。
ストックホルムのCOOP
SALUHALLの地下にCOOPがあったので、少しだけ寄り道。いわゆるスーパーマーケットです。品揃えが日本と全然違っていておもしろい。写真はチューブ入りのなにか。パンに塗って食べるべきものであることだけが分かる。
写真はソーセージのように見えますが、なんとスープ。液体がみっちりと詰まっていて、すごく買ってみたかったけれど、宿泊しているホテルにはキッチンがないので断念。特に怪しい色の液体の味見をしてみたかった。
Kvarnenで地ビールとスウェーデン料理
さて、ようやくの夕ご飯は、SALUHALL近くのKvarnenで。地ビールとスウェーデン料理が楽しめるお店です。
褐色の地ビールにて乾杯。
高い天井から吊り下がる球体の照明が幻想的な雰囲気。
店内にはサッカー選手ゆかりの絵画や彫刻が飾られていました。
一皿目はザリガニ(Crayfish)とあったものをオーダー。ザリガニを含む甲殻類をベースにしたタルタル風の前菜でした。さくさくのバタートーストに付けて食べる。とてもおいしい。
もう一皿はすっかり気に入ってしまったミートボール。今までのものとはまた違って、肉々しい食感、クリーミーなソース。
付け合せのピクルスと甘く煮付けたリンゴンベリー。この付け合せはここが一番美味しかった。ミートボール本体もめちゃめちゃ美味しかったです。
満腹になったところで、Slussenn駅までは地下鉄で移動。清潔で治安もよく夜中乗っても安心な地下鉄でした。
Slussenn駅から、朝と同じ経路でフェリーに乗って、Skeppsholmen島へ。スウェーデン初日は振り返ってみても長い一日でした。
ホテルでは、シャワーを浴びてから異国のテレビをぼんやりと眺めるうちにあっという間に眠ってしまいました。
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