出かけたついでに美味しいパンを買う
以前はおやつに納豆ご飯を食べるような急進派のご飯派だったのですが、最近急にパンが気になるようになりました。パンが食べたい。それも、いろいろな製法で作られたいろいろなお店のパンが。
そのような欲望を満たすために始めたのが、出かけたついでに近隣のパン屋に立ち寄り、パンを買ってくる方法です。これを始めると全国津々浦々に美味しいパン屋があり、人々のパン欲を満たしていることがよくわかります。
今回はその中でも、パン目的で街を再訪したいと思ってしまったパン屋を4つご紹介します。
長崎市五島町の「bread A espresso(ブレッドアーエスプレッソ)」
久々に訪れた長崎はとてもよい街で、とりわけパンが美味しかったです。長崎市五島町の一角にある「bread A espresso(ブレッドアーエスプレッソ)」は、まずお店がとてもおしゃれな雰囲気。
天然酵母を使ったパンは端正でストイックな雰囲気ですが、酸味が強すぎることもなく食べやすい。噛みしめるとぐっとパンの香ばしさが口の中に広がる感じ。ベーシックな食パンやバゲットだけでなく、ホワイトチョコレートやアールグレイなどの菓子パンも完成度が高い。
二日目以降にあたためて食べるとまた風味が違って至福。
スタンディングだけですが、買ったパンは店内で食べることもできます。実は、長崎の旅では、初日に立ち寄って朝ごはんを食べたらあまりに美味しくて忘れられなくなり、翌日再訪しておみやげ分を買いました。
本格的なマシンで淹れているエスプレッソやカプチーノもパンに負けないおいしさ。お店の方の心遣いも細やかで、スタンディングなのに不思議な居心地のよさがありました。パンを味わっている間にも、パンを求めてやってくるお客さんがひっきりなし。そのやり取りを眺めているのも旅先らしく楽しかったです。
鎌倉「天然酵母パン工房KIBIYAベーカリー」段葛店
鎌倉の段葛にある「天然酵母パン工房KIBIYAベーカリー段葛店」。鶴岡八幡宮に至る参道の途中にあるので、鎌倉観光の際に立ち寄りやすい立地にあります。レトロな雰囲気でまとめられた店内はおしゃれで、なぜか野菜なども販売されています。
こちらも天然酵母使用。バゲットのクープの開き具合が絶妙にざっくりとしていて、全体的に素朴な雰囲気。猫モチーフの袋もかわいい。
パンは、ポトフなどの煮込み料理にも合う、素朴だけれど力強い味わい。チョコレートの入ったパンもおいしかったけれど、個人的にはライ麦のバゲットの類を見ない香ばしさが素晴らしく、絶対にもう一度食べたいパンとなりました。
麻布十番「モンタボー本店」
あちこちのフードコートに出店している「モンタボー」の麻布十番本店。本店は支店とは味が違うと感じます。店頭では、牛乳パンなどの甘い菓子パンを押しているのですが、このお店で美味しいのは食パンやバゲットなどのベーシックなパン。
個人的に好きなのは、右側に写っているデニッシュスペシャル。背徳的なカロリーと高めのお値段で買うのに勇気がいりますが、軽くトーストするとバターの香りが際立ち、止まらないおいしさ。バゲットも安定した味。
こちらは吟のしらべというトースト非推奨な食パン。確かにトーストしなくても耳までおいしい。 「ふつうの食パン」の一つの到達点という趣です。
吉祥寺「ダンディゾン(Dans Dix ans)」
吉祥寺の駅から徒歩10分ほどの場所にある「ダンディゾン(Dans Dix ans)」。「路地の突き当りにある公園のさらに奥にある階段を下った地下一階」と、立地が複雑なので初めて行くときは注意が必要です。
夕方に訪れたところ、パンはもう数えるほどしか残っていませんでした。それも、他のパン屋の倍くらいの値付け。え、ちょっと高いなと思ったものの、このパンは美味しいに違いないという妙な予感が湧き上がってきて、写真の二種を買いました。
左が「BL30」バターと牛乳を使用した甘めの食パン(450円)。右が「パン・オ・ルヴァン」の1/4(250円)。お店と同じく、パンからも精緻な印象を受けます。
翌朝、トーストせずに食べてみた「BL30」。すごくおいしい。どうしてももっと食べたくなり、結局何もつけない食パンを3枚も一気に食べてしまいました。このパンも絶対にもう一度食べたい。吉祥寺もおもしろい街だったので、パンを買いがてらまた散歩市に行きたいと思います。