経緯
1月から「このマンガがすごい」WEBのアンケートに参加させていただくことになりました。さっそく「映像研には手を出すな!」の選評を掲載してもらってうれしい気持ち。https://t.co/80iKV1tTae
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年2月20日
このような経緯があり、月次で読んだ漫画の感想を書く必要が生じたのですが、性格的に1カ月間に読んだ漫画を月末にまとめて思い出して感想を書くという作業は厳しいと思われたため、読んだ端からツイッターに感想を投稿することにしました。
ツイッターに投稿することにしたのは、短文なので比較的気楽・しかし最低限人の目に触れるという緊張感がある・タグ付けることであとで見返しやすい、という完全に自分の都合によるものです。
せっかくなので、ツイッターに投稿した漫画感想をブログにも月単位でまとめることにします。今回は、1月と2月の2ヶ月分。
なお、「このマンガがすごい!WEB」の対象は当月に発売された漫画ですが、わたしの感想は、なるべく当月に発売された漫画は当月に書くように気を付けてはいますが、既刊も対象となるため、結論としては当月に読んだ漫画(当月発売のものが多め)となります。
あと、原則として電子書籍で買っているので、電子化が遅れたものは感想も遅れがちとなってはいます。
2017年1月に読んだ漫画
1. 米代恭『あげくの果てのカノン(1)(2)』
米代恭『あげくの果てのカノン(1)(2)』 不倫恋愛×宇宙人による侵略SFという異色の組み合わせ。不器用すぎる主人公がなかなか愛おしい。話のメインはSFパートで、今後明かされるであろう残酷な真実と物語の行方がとても気になる。絵も雰囲気があって好き #201701の漫画 【1】
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年1月21日
絵(特に線)が美しいので、それだけでも一見の価値あり。不倫というとドロドロしているイメージですが、隠ぺいされた真実が見え隠れする薄気味悪さが全編に漂っているので、どちらかというとクールな読後感です。
2. 咲坂伊緒『思い、思われ、ふり、ふられ(1)〜(4)』
咲坂伊緒『思い、思われ、ふり、ふられ(1)〜(4)』青春ラブストーリーといういつもなら気恥ずかしくて読めないジャンルだけど、話の展開が割と合理的なせいか楽しめた。4巻の最終話から急展開して先が気になる。男性キャラがとにかくかっこいいのはさすが。 #201701の漫画 【通算6冊】
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年1月22日
パッと見た雰囲気よりはずっとクールな少女漫画。前振りが長すぎる気もするけど、おそらく5巻(次巻)以降が本編なのでは?と楽しみにしている。

思い、思われ、ふり、ふられ 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)
- 作者: 咲坂伊緒
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/01/25
- メディア: Kindle版
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3. つくしあきひと『メイドインアビス(5)』
つくしあきひと『メイドインアビス(5)』前巻と同じく今巻もつらい展開。世界は残酷だからこそ美しい。ナナチが可愛いのだけが救い。悪役もみな単純な悪ではなく独自の論理を持っている。読むのに覚悟がいるけれど物語の先に何が待っているのか、見届けたい。#201701の漫画 【通算7冊】
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年1月22日
"アビス"と呼ばれる謎の広大な縦穴の中に広がる世界を少年少女が探検するダークファンタジー。絵柄は可愛いけれど、内容は非常にシビアで、思わず眉をしかめるような残酷なシーンも多い。しかし、緻密に作り上げられた世界観とキャラクター、ありがちさを排した物語はすばらしい。グロ耐性のある人であれば、一読の価値あり。
4. 咲坂伊緒『ストロボ・エッジ(1)〜(10)』
咲坂伊緒『ストロボ・エッジ(1)〜(10)』思い思われ〜がよかったので、同作者の他作品。とにかく爽やかな青春ラブストーリーで壁ドンのお手本みたいなシーンもある。恋愛ワンテーマで脇役もさして活躍しないのに10巻も読ませる技量はなかなかすごい。 #201701の漫画 【通算17冊】
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年1月22日
おもしろいなと思う作品に出会うと、過去作品にあたるという習慣の一環。「思い、思われ、ふり、ふられ」のほうが話が洗練されているけれど、ご都合主義的な展開が少なくて素直に面白く読める。
5. 森和美『エシカルンテ(1)(2)』
森和美『エシカルンテ(1)(2)』開拓時代の北海道とアイヌをモチーフにした少女二人の物語。地に足のついた描写に、質の良い児童文学のような趣がある。最後駆け足のように抽象的に終わったところが残念で、次は同じ作者でもっと長い物語が読みたい。 #201701の漫画 【通算9冊】
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年1月27日
正統派ファンタジー。こういうタイプの作品が好きなのでもっと読みたい。
6. 樫木 祐人『ハクメイとミコチ(5)』
樫木 祐人『ハクメイとミコチ(5)』大好きなシリーズの最新刊。ハクメイとミコチの作り食べるものはなぜこんなに美味しそうなんだろうか。わたしもコロポックルになりたい。甲乙つけがたいけど、暗森さんのアーモンドケーキがおいしそうだった。 #201701の漫画 【通算10冊】
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年1月27日
好きな料理マンガの上位に入る作品のうちの一つ。そのうち、ハクメイとミコチに出てきた料理の再現もやりたい。
7. 堀尾省太『ゴールデンゴールド(2)』
堀尾省太『ゴールデンゴールド(2)』『刻々』の作者の二作目。富と繁栄をもたらす怪しいフクノカミを巡る物語。第二巻では物語が動き始める。人間の厭らしい側面の描きぶりが見事で安定感がある。完結したあと一気に読み返したらまた違った印象になりそう。 #201701の漫画 【通算11冊】
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年1月28日
前作『刻々』もおもしろい作品でしたが、今作もなかなか。人間の描き方がうまいし、物語の運びもうまい。安心して楽しめる作品。
8. 野村亮馬『インコンニウスの城砦』
野村亮馬『インコンニウスの城砦』"幻想科学諜報漫画"と銘打たれており、ジャンルとしてはSF。登場人物の息遣いを感じる繊細で緻密な描写。絵本のような映画のような画面構成も素晴らしい。物語も緊張感に満ちて、願わくばもっと長編で読みたかった。 #201701の漫画 【通算12冊】
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年1月28日
偶然見つけたのですが、すばらしい作品だった。SF好きな人はぜひ読んでほしい。緻密な世界観と丁寧なキャラクター造形。なめらかなストーリー展開と緊張感、読後の余韻。前作の「キヌ六」も読んでみなくてはと思っています。
9. 大月悠祐子『ど根性ガエルの娘(1)(2)』
大月悠祐子『ど根性ガエルの娘(1)(2)』「ど根性ガエル」の作者の娘が父のギャンブル依存と家庭内暴力を描いた実録漫画。作者=娘は典型的なイネイブラーなのに、無自覚なところが怖い。これが「家族再生の物語」と謳われているのはもっと怖い。 #201701の漫画 【通算24冊】
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年1月28日
ヤングアニマルDensiに掲載された第15話がネットで話題になった本作。久々に書店に行ったら、目立つところに平積みにされていて、ヒットしている様子でした。
Amazonの感想や煽り文句を見る限りでは、本作は一度は壊れかけた家族が再生する過程を描いた物語として受け止められているようなのですが、個人的には、作者がまだ家族や自分を客観視できていない状態でストーリーが作られている(としか思えない)ので、機能不全家族で育った人が読むとモヤモヤしたり、強く動揺したりする可能性があるので、気を付けて頂きたい。
10. 卯月妙子『人間仮免中/つづき』
卯月妙子『人間仮免中/つづき』 元AV女優で重度の統合失調症を患う作者による新たな伴侶との日々の記録。伴侶や家族の仕打ちは結構酷いのに、作者は今が一番幸せだと主張する謎。残虐犯罪のノンフィクション小説に似た読後感で、感動する感じではなかった。 #201701の漫画 【通算26冊】
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年1月28日
冒頭のシーンがすごい。ここだけでも読む価値はあると思う。
卯月妙子の著作は以前のものも読んでいるのですが、漫画家として一定の魅力はあると思うものの、客観的には悲惨な状況にありながら、自分はこれでしあわせなんだと思い込もうとする(作品中でそのように表現をする)様子が痛々しく読んでいてつらい。あと、作者が他の人に割と酷いことをしても、漫画的にはさらっと流されていて、読者が共犯者にされているような感覚があり、そこもちょっと受け入れがたい。
11. 森本梢子『アシガール 8』
森本梢子『アシガール 8』戦国時代にタイムスリップした普通の女子高生が足軽として戦ううちにイケメン若様と恋に落ちるという少女漫画の王道ながらキャラ設定が絶妙で大人も楽しめる作品。主人公の行動力と力強さが心地よくて読後は前向きな気持ちになれる #201701の漫画 【通算27冊】
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年2月2日
主人公が本当にふつうの(美人でもお金持ちでも魔法使いでも超能力者でもない)女子高生で、しかも、抜群の運動神経と賢さと図太さを駆使して戦場でイケメン若様の手助けをする…という少女漫画の定石をバリバリ覆していく快作。
少女漫画の主人公は、読者のロールモデルになりうる存在だと思うので、本質的なバリエーションが増えていくことはよいことだと考えています。
12. 梅田阿比『クジラの子らは砂上に歌う 8』
梅田阿比『クジラの子らは砂上に歌う 8』世代宇宙船を思わせる巨大な島船"泥クジラ"にて砂の海を旅する人々の物語。萩尾望都を思わせる作風だけれどもう少し現代風でポップ。8巻は過去の因縁が語られ、物語が大きく動き出す気配がする。続きが気になる。 #201701の漫画 【通算28冊】
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年2月2日
こちらも繊細な線が美しく、それだけでも読む価値がある。キャラクターも魅力的。もう少しだけ設定が厳密だとより好みなのですが、これくらい緩めのほうが漫画としては読みやすいのかもしれず、難しい。。。
13.大童澄瞳『映像研には手を出すな!1』
大童澄瞳『映像研には手を出すな!1』映像研究会と称してアニメ制作に没頭する女子高生の青春活劇。3人が作り出す豊かな物語世界に胸が高鳴る。特に1巻の最終話が圧巻。作品を観た観客が呟いた「これ続き観たいね」という感想、私も同じことを思った。 #201701の漫画 【通算29冊】
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年2月3日
読んでいて、とてもわくわくする漫画。メカ好き、建物好きにはぜひおすすめしたい!
14.田村由美『7SEEDS 33』
田村由美『7SEEDS 33』人類滅亡後の世界を描く近未来SFの33巻。30人超の登場人物全てに役割と見せ場があり、かつ魅力的なのはすごい。今回のメインは冬チーム唯一の生存者の新巻。ここまで読んでよかったと思えるエピソードが用意されていた。 #201701の漫画 【通算30冊】
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年2月3日
33巻まで来て、ますます面白くなっている作品。完結してから一気読みする人がうらやましい。
2017年2月に読んだ漫画
ここから2月分です。
1. 藤田和日郎 『双亡亭壊すべし(3)』
藤田和日郎 『双亡亭壊すべし(3)』"双亡亭" という人喰い屋敷を巡る怪奇譚の第3巻。青年凧葉、少年緑朗と姉の紅が生き生きと動き始め、双亡亭の謎も少しずつ明かされていく展開にこの先が楽しみとしか言いようがない。藤田和日郎の異能を感じる。 #201702の漫画 【通算31冊】
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年2月22日
安定の藤田和日郎。主要登場人物がそれぞれにちゃんとかっこよくて、読後感がとてもよい。続きが楽しみな作品の一つ。
2. 石黒正数『それでも町は廻っている(16) 』
石黒正数『それでも町は廻っている(16) 』名作『外天楼』を思わせる、石黒正数らしいシニカルな視点が心地よい幕切れだった。時系列がシャッフルされた物語のエピローグは、示されてみればこれ以上のものはなかったと思える。この物語に出会えてよかった。#201702の漫画【通算32冊】
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年2月22日
ついにそれ町が終わってしまった。でもよい幕切れだったので幸せです。公式ガイドブックも電子版が出たので買いました。時間が取れるタイミングでゆっくり読むつもり。

それでも町は廻っている 公式ガイドブック廻覧板 (ヤングキングコミックス)
- 作者: 石黒正数
- 出版社/メーカー: 少年画報社
- 発売日: 2017/02/14
- メディア: コミック
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3. 九井諒子『ダンジョン飯(4) 』
九井諒子『ダンジョン飯(4) 』当初の目的を達成する一行だが、それは物語の終わりではなく新たな章の始まりだったという燃える展開。飯マンガ的要素は薄まったが物語には強く引き込まれた。巻が進むごとにどんどんマルシルが愛おしくなって困る。 #201702の漫画 【通算33冊】
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年2月22日
ダンジョン飯もいよいよ4巻。わたしはとにかくマルシルが愛おしくて。あとファリンとのペアもよい。ライオスも含め、キャラクターを安易なステレオタイプに当てはめず、丁寧に等身大に造形している筆致が素晴らしいと思う。

ダンジョン飯 4巻<ダンジョン飯> (ビームコミックス(ハルタ))
- 作者: 九井諒子
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / エンターブレイン
- 発売日: 2017/02/15
- メディア: Kindle版
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4. ゆうきまさみ『でぃす×こみ(2)』
ゆうきまさみ『でぃす×こみ(2)』ゆうきまさみ版「まんが道」の第2巻。毎回異なるゲスト漫画家が彩色したカラーページが豪華。作中マンガにパトレイバー後藤隊長風のキャラが登場して、カッと血圧が上がってしまった。この先も楽しみ。 #201702の漫画 【通算34冊】
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年2月22日
後藤隊長だ!!って思ってからアマゾンのレビューを読んだら、同じことを書いている人がいて少しうれしかったです。みんなパトレイバー好きだなあ。わたしはあーる君も好きです。今でも粉砕バットとか使っています。
5. 大今良時『不滅のあなたへ(1)』
大今良時『不滅のあなたへ(1)』高い知能を有する地球外生命体が知らぬ間に人間の社会に入り込んでいた…というクラッシックなSFに見られるモチーフを美しい絵柄で丁寧に綴った物語。まだごく序盤だけれどこの先がとても気になる。 #201702の漫画 【通算35冊】
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年2月22日
実は前作「聲の形」が未読なので、読まなくてはならぬと思っているところ。本作はまだ序章ですが、期待の持てる始まり。絵もとても魅力的。
6. 白浜鴎『とんがり帽子のアトリエ(1)』
白浜鴎『とんがり帽子のアトリエ(1)』魔法の力に憧れる少女がアクシデントにより魔法使いに弟子入りするダークファンタジー。美しい絵柄と闇も冷徹に描写する筆致に期待が膨らむ。主人公の少女が軽率すぎて感情移入しにくいのだけが少し気になる。 #201702の漫画 【通算36冊】
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年2月22日
シビアな世界観が好み。しかし、主人公が軽率な行動にでる→それをきっかけに物語が動くというルーティーンが繰り返されるので、ちょっとストレスが溜まる。でもまだ1巻目なので、これから成長するにつれてそういう展開は少なくなると信じたい。
7. 今市子『枯れ野の花嫁』
今市子『枯れ野の花嫁』今市子の作品はBLもの(幻月楼奇譚を除く)以外は全て読んでいる固定ファンなので今回も楽しく読んだ。難解すぎるという意見も見るけれど、独特の世界観とトリッキーで仕掛けに満ちたストーリーが他では得難く癖になる。 #201702の漫画 【通算37冊】
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年2月22日
今市子先生のファンなので新作が出れば必ず読む。ストーリーが難解すぎる・分かりにくいという指摘は、その通りだと思いつつ、でもそこがいいの・・・という気持ちです。初めて今市子作品に触れる場合には、まずは百鬼夜行抄を読んで頂くのが良いと思います。名作です。
8. 三部けい『僕だけがいない街(9)』
三部けい『僕だけがいない街(9)』完結後のスピンオフ。メインストーリーでは描かれなかった、周辺人物の物語が描かれる。魅力的な登場人物に再び会えてうれしい一冊。#201702の漫画 【通算38冊】
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年2月22日
よくできたスピンオフストーリーばかりなので、本編が好きだった人は読んで損なしと思います。

僕だけがいない街(9)<僕だけがいない街> (角川コミックス・エース)
- 作者: 三部けい
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
- 発売日: 2017/02/04
- メディア: Kindle版
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9. 伊図透『銃座のウルナ(1)~(3)』
伊図透『銃座のウルナ(3)』辺境の雪深い島にて蛮族ヅードの殲滅戦が始まる。苛烈な戦闘の中で、ある者は死によって去り、ある者は生き残り再会を匂わせる。粗暴にも見える兵士たちを丁寧に描き、凄惨だが切なくて美しい物語が紡がれる。次巻新展開が非常に楽しみ。#201702の漫画 #49
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年3月7日
登場人物を、漫画的な約束事を排してリアルに描写することに誠実であるように感じる。2巻までは水面下で不穏な物事が進行する気配とともに、兵士たちの日常が描かれ、3巻で全てが覆される。これを序章としてどんな物語が描かれようとしているのか、とても気になる。
10. ゆうきまさみ『白暮のクロニクル(10) 』
ゆうきまさみ『白暮のクロニクル(10) 』現代を舞台にした吸血鬼譚の第10巻。連続殺人鬼"羊殺し"の犯行見込日が近づき、遂に犯人?が姿を現す。物語は佳境に入り緊迫したシーンが続く。次巻あたりで完結しそうでちょっとさみしい気持ち。 #201702の漫画 【通算41冊】
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年2月23日
そろそろ物語が終わりかけているのが寂しい。でも最後まで見届けます。
11. 山下和美『ランド(4)』
山下和美『ランド(4)』"四ツ神様"に監視され50歳で死ぬ運命の人々が暮らす前近代的な箱庭世界を巡るSF。因習により放逐された杏は箱庭の外に広がる近代的な社会で育てられる。幾重にも重ねられた謎が紐解かれ始める第4巻。さすがの安定感で楽しめる。#201702の漫画 【通算42冊】
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年2月23日
そろそろ1巻から読み返したい。さすが山下和美という安定感。
12. 若林稔弥『徒然チルドレン(7)』
若林稔弥『徒然チルドレン(7)』高校を舞台とする一話完結のラブコメ青春群像劇。シチュエーションコメディ的な軽やかさと甘酸っぱさで、読むと心が洗われてしまう。最近はミス・ワビサビと生方さんのエピソードが一押しです。#201702の漫画 【通算43冊】
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年2月23日
ときどきこういう爽やかなのを読んで、心のドロドロを洗い流さなくてはと思います。。。
13. 若林稔弥『僕はお姫様になれない(3)』
若林稔弥『僕はお姫様になれない(3)』貧乏ゆえに兄のお下がりの制服で登校したら男子と勘違いされた女子高校生と彼女に恋をした男子高校生のラブコメディの完結巻。荒唐無稽なシチュエーションにお約束を外さない展開ながら、安心して楽しめるのはさすが。#201702の漫画 【通算44冊】
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年2月23日
同じ作者のもの。初めて読むなら、徒然チルドレンのほうを推します。
14. 白井カイウ『約束のネバーランド(1)(2)』
白井カイウ『約束のネバーランド(1)(2)』"食糧"として育てられていることを知った子ども達が孤児院から脱出を企てるダークミステリ。ジャンプ連載なのにグロテスク描写多め。正体不明の手強い寮母、外の協力者の気配等、仕掛けがうまくて先が気になる。#201702の漫画 【通算46冊】
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年2月24日
ジャンプ連載なので、新刊が出るスピードが早いというのもある。でもこんなに早くて大丈夫なのか心配にもなる。
15. 窓ハルカ『漫画として現れるであろうあらゆる恋のためのプロレゴメナ』
窓ハルカ『漫画として現れるであろうあらゆる恋のためのプロレゴメナ』難解な表題はカントのパロディ。少女漫画風の繊細な絵柄で展開される物語は複雑怪奇で全力疾走、でも不思議な魅力で最後まで読んでしまう。洗練されていないが退屈もしない。次作を待ちたい。#201702の漫画 【通算47冊】
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年3月6日
ツイッターでは書ききれなかったのですが、ストーリー展開は支離滅裂に感じられ、読みながらめちゃくちゃ混乱するのに、これがどう着地するのか気になって続きを読んでしまう、そして、読み終わったときに一貫したテーマがあったことに気付くという不思議な作品だった。しかも思いつきのような謎のエピソードが、後半で割とちゃんと拾われて、どこまでが計算でどこまでが天然なのかよく分からない。読む人を選ぶのは間違いないけれど、新しいという意味では才能があるのだと感じる。わたしは今作だけでは判断しがたいので、次の作品も読んでみようと思います。

漫画として現れるであろうあらゆる恋のためのプロレゴメナ (トーチコミックス)
- 作者: 窓ハルカ
- 出版社/メーカー: リイド社
- 発売日: 2017/02/24
- メディア: Kindle版
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16. 小林銅蟲『めしにしましょう(2)』
小林銅蟲『めしにしましょう(2)』小林銅蟲式めし漫画第2巻。不条理で哲学的な日常パートと本能に訴えかける料理パートの不思議な融合が癖になる。卓越した言語感覚から繰り出される数々の名台詞は声に出して読みたい。キャラの魅力も増して次巻も楽しみ。 #201702の漫画 【通算48冊】
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年3月6日
このブログではおなじみ、『めしにしましょう』の第2巻です。みなさんも買いましょう。

めしにしましょう(2) 【電子限定カラーレシピ付き】 (イブニングコミックス)
- 作者: 小林銅蟲
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/02/23
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (2件) を見る
以上です。
こうしてみると、意外とたくさんマンガ読んでいるな~という感じです。仕事忙しいはずなのにおかしい・・・。
番外
番外として、今連載を追いかけている漫画です。
1. 青野くんに触りたいから死にたい/椎名うみ
“青野くんに触りたいから死にたい/椎名うみ" が気になりすぎて、アフタヌーンの電子版を買ってしまったけど、2話と3話もすごくよかった。
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年2月2日
ネットでちょっと話題になっていたけれど、これはすごくおもしろい。騙されたと思って無料公開の第一話を読んでみてください。2話と3話はさらにおもしろいです。
2. 悪魔のメムメムちゃん/四谷啓太郎
「悪魔のメムメムちゃん」はストレスが多い人にお勧めしたい。メムメムちゃんを見ていると、これくらい適当でいいのでは?と気持ちが安らかになる。ギャグ漫画としての完成度もかなり高い。
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年2月22日
[15話]悪魔のメムメムちゃん | 少年ジャンプ+ https://t.co/4QM8QnzGLr
メムメムちゃんは3月に入って2巻が発売されていますね(買いました)。キャラがすごく可愛いのですが、メムメムちゃんの全然がんばらない適当なキャラが最高で、読んでいると心が安らぎます。
その他~日本SF大賞
日本SF大賞は『WOMBS(ウームズ)』白井弓子(小学館)とのこと。大分前に読んだ気がしていたけど、2016年1月に完結した作品なのだった。読む側にも覚悟を要求する妥協のない物語だった記憶だけど、細部が思い出せないので再読する。同氏の『天顕祭』も久々に読み直したくなった。
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2017年2月25日
2月25日に日本SF大賞が発表されていまして、『WOMBS(ウームズ)』白井弓子(小学館)が大賞に選ばれました。なお、特別賞は、『シン・ゴジラ』庵野秀明とのこと。
『WOMBS(ウームズ)』は、設定もストーリーもハードなSFですが、読みごたえは抜群。私もこの機会に読み返そうかなと思っています。
という感じで、1月2月の漫画感想は以上です。
同種の過去記事
buchineko-okawari.hatenablog.com
この記事で、この世界の片隅にを勧めていたのだった…。
buchineko-okawari.hatenablog.com