Anova Precision Cookerを使った低温調理の記録です。
口水鶏(よだれ鶏)とは、中国四川省の料理で、蒸鶏にラー油や花椒から成る辛くてしびれるソースをかけて食べる冷製の前菜です。名前の由来は、よだれが出るほどおいしいところからきているとのこと。
今回は、鶏の胸肉を低温調理した上に、辛くてしびれるソースをかけたいと思います。
鶏胸肉も塩水漬け(ブライニング)しましょう
鶏むね肉一枚です。これももも肉と同様に塩水漬け(ブライニング)します。ブライニングすることにより、肉の保水力を高めるとともに、肉質を柔らかくすることができます。詳しくは、以前の記事をご参照ください。
buchineko-okawari.hatenablog.com
漬け汁は、5%濃度の塩水です。今回は、スケジュールの都合上、塩水と鶏むね肉をジップロックに入れて密封して冷蔵庫に一晩置いたのですが、特に問題は生じませんでした。
翌朝、塩水を捨て、鶏むね肉を軽く水ですすいでから、新たに100ccの真水と一緒にジップロックに密閉して、低温調理にかけました。
なお、ブライニングにより鶏むね肉には塩味がついていますので、この段階で新たに塩を追加する必要はありません。後でかけるソースとの兼ね合いで、全体にしょっぱくなりすぎる可能性があるので、気を付けましょう。
鶏むね肉の低温調理
保温性のよい鍋にお湯を張り、ジップロックとAnova Precision Cookerを入れ、加熱を開始します。加熱温度と時間について、今回は66度/1時間半にしました。
鶏もも肉では68度がちょうどよかったのですが、鶏むね肉について同じ温度で試したところ、脂肪分が少ないせいか、少しパサつきのある仕上がりになってしまいました。そこで、今回はもう少し温度を下げてみた次第です。
なお、食品衛生との関係で鶏肉の加熱温度を何度に設定すべきかについては、以前の記事をご参照下さい。
buchineko-okawari.hatenablog.com
こちらが、塩水漬け(ブライニング)後に、66度/1時間半で加熱した鶏むね肉です。68度で加熱したよりもふんわりとジューシー、柔らかく仕上がりました。
なお、加熱時間は、肉の大きさによっても変わります。大き目の肉を調理する際には中心部が適温に至るまでにより時間がかかるため、加熱時間を長くするなど工夫して下さい。
口水鶏(よだれ鶏)のレシピ
さて、口水鶏(よだれ鶏)の作り方です。材料(2人前)は、以下のとおり。
- 鶏むね肉 1枚(ブライニングしたもの)
- きゅうり 半分、もやしでもよい
- ごま油 大さじ2
- 醤油 大さじ2 あれば、海天醤油の老抽王がよい
- 砂糖 小さじ2
- 米酢 大さじ1 あれば、黒酢
- 調理酒 大さじ1 あれば、紹興酒がよい
- 鶏のゆで汁 大さじ2〜3
- 花椒 大さじ1 すりこぎ等で潰しておく
- にんにく 1個
- ラー油 お好みで、大さじ1~2
- 鷹の爪 お好みで、1~2本
- カシューナッツ あれば、お好みで。ピーナッツでもよい。
- 白ごま 大さじ1
下準備として、にんにくは刻んでおきます。平野レミ式に、皮をむいたにんにくをまな板の上に置き、上からガラスボウルを叩きつけて粉砕した後に、包丁で千切りにすると安全かつ簡単にみじん切りにできるのでお勧めです。
花椒も同様にビニール袋に入れて、上からガラスボウル等を叩きつけて細かくしておきます。丁寧な人はすりこぎで潰してもよいです。
鷹の爪は、そのままでもいいですが、辛くしたい場合には、キッチンばさみ等で細く切ります。種は入れるとさらに辛くなり、相当辛いので、普通の人は入れない方が無難です。
カシューナッツ(ピーナッツ)は、荒く刻んでおきましょう。
左下の鷹の爪を素手で刻んだら、2時間くらいして指先に激痛が走り脂汗をかいた。唐辛子の成分は油溶性とのことでサラダ油でよく揉み込んでから洗い流したら収まった。みなさん、唐辛子を扱うときは油断せず手袋をしましょうね。わたしも次回からちゃんとします。 pic.twitter.com/rTfnmpmkoc
— ぶち猫 (@buchineko_okawa) 2016年11月6日
鷹の爪は素手でちぎると危ないので、気を付けてくださいね。
フライパンにごま油を入れ、にんにく、花椒、鷹の爪、カシューナッツ(ピーナッツ)を入れて火をつけ、弱火から中火くらいで、ゆっくりと熱して香りを出します。この時点でかなり食欲をそそる匂いが立ち込めます。
全体に油がまわり、にんにくがキツネ色になってきたら、醤油(濃口醤油)、調理酒(紹興酒)、砂糖、鶏のゆで汁を入れて軽く煮立つまで火にかけ、最後に、米酢(黒酢)とラー油を入れたらすぐに火を止めて全体を混ぜ合わせます。
醤油は、普通の醤油でもいいのですが、中国の濃口醤油があるとさらにおいしいです。海南鶏飯で使ったのと同じものです。
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きゅうりを千切りにして盛り(もやしの場合はさっと茹でて水を切る)、低温調理してからスライスした鶏むね肉を乗せます。
フライパンで調理した辛くてしびれるタレをかけ、白ごまをふったら、できあがり。ジューシーだけれど、淡泊な鶏むね肉に、スパイシーなタレがとても合います。味の決め手は花椒で、後味がピリピリするのが癖になる。あと、カシューナッツの香ばしさがとてもよいので、ナッツ系は家にあるものを何か入れるのがオススメです。
レシピによっては、加熱せずに混ぜるだけのものもあり、それでも形にはなるのですが、にんにくや花椒の香ばしさを出すには、やはり一度加熱するのがよいです。
最近、花椒とか濃口醤油等の中華調味料にハマってしまい、中華系の料理をいろいろ作っている感じです。
おまけ カリカリ黒酢豚
低温調理は全然関係ないのですが、この日はなんとなく食べたくなって黒酢豚も作りました。シチュー用の豚角切りに、濃口醤油、紹興酒、胡麻油を揉み込んでおいたものに、片栗粉をまぶして、170度くらいでじゅわーーっと揚げているところ。
同じ油で素揚げした野菜を、黒酢だれ(濃口醤油、黒酢、紹興酒、砂糖に片栗粉でとろみをつけたタレ)で軽く煮た上に、揚げたての唐揚げ(豚)をかけました。
唐揚げ(豚)はそのままカリッと食べてもいいし、黒酢あんと絡めてこってり食べてもいい。二通りの食べ方がある仕組みです。なんかすごく美味しくてよかった。
またやろうと思います。
低温調理に関する寄稿記事
これまでの低温調理
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