ぶち猫おかわり

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Anova Precision Cookerで低温調理 vol.18 鮑の酒蒸し

鮑を低温調理する 

先日、鮑を酒蒸しにしたところ、すごく柔らかくできてよかったのですが、加熱時間が3時間と長時間になることもあり、Anovaを使ってもう少し低い温度で調理できたら楽ちんだなと思い、実験をしてみることにしました。

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このときは、鍋の蓋をぴったり閉めて、湯を沸騰させた状態で3時間蒸しました。

鮑の下ごしらえについて

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これは、近所のスーパーで購入した鮑です。活き鮑なんてその辺で売ってないだろうと思い込んでいたのですが、探したら徒歩10分圏内で手に入ってしまいました。築地よりは割高ですが、べんりな分仕方ない。

 

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下ごしらえは前回と同様に、塩で締めて殻から外した後、肝と口部分を切り取っています。

 

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ジップロックの中に、水と料理酒(予め加熱してアルコール分を飛ばしておく)を1:1で配合した液体、出汁昆布、鮑本体とヒモを入れ、できるだけ真空になるようパックします。水分は、鮑の全体が浸かるくらいあれば大丈夫です。塩分は鮑に含まれているので、追加では入れません。また、今回、肝はソースに仕立てるので、この中には入れていません。

大木代吉本店 福島県 こんにちは料理酒 720ml

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鮑は何度で加熱すべきか

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鮑を何度で加熱すべきか、難しい問題です。前回は鍋の蓋をぴったりと閉めて、湯を沸騰させた状態で蒸したので、内部は90度を超えていると推測されます。

一方で、インターネットで検索をしたところ、もっと低い温度で加熱している例も散見されたので、Anova Precision Cookerを使い、まずは65度4時間で試して、その後、75度4時間で再挑戦しました。

実験1回目:65度4時間

加熱にあたり、身の縮みを最小限にするために、水が常温の段階で真空パックした鮑を入れ、Anovaを使って水温を徐々に設定温度まで上げていく方法を採りました。

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できあがりは、普通に食べるのに困らないだけの柔らかさ。ただ、前回高温で蒸したものには及ばない食感で、もう少し高い温度で加熱するほうがよさそうでした。

実験2回目:75度4時間

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悔しい気持ちで再挑戦した2回目、75度4時間加熱のできあがりがこちら。押してみると結構柔らかくなっていて期待が高まります。加熱後は、そのまま冷めるまで常温に置いて、味をなじませました。

 

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肝心の食感については、65度4時間のものよりは確実に柔らかくなっていて、これくらい柔らかければアリだと思いました。

一方で、やはり高温で3時間加熱したときの、ほとんど歯ごたえを感じない、ふんわりとした柔らかさにまでは至っていないというのが正直なところ。

どこまで柔らかくするかは好みの問題で、この状態がいいという人もいると思いますが、わたしは高温で3時間蒸した食感が一番好みで、これ以上温度を上げるのであればAnovaを使わずに普通に蒸す方法でいいかなという結論になりました。

ただ、低温調理にもよいところがあり、それは加熱による縮みが少ないとこ

素材に急激に熱が加わると縮みやすい点に着目し、前述のとおり、水温が常温の段階で真空パックした鮑を入れ、Anovaを使って設定温度まで徐々に水温を上げていく加熱方法を採ったところ、二回の実験ともに、高温で加熱したときよりも縮みが少なくできあがりました。蒸すよりも湯煎するほうが、素材への熱の伝わり方がゆるやかであることも影響していると推測します。

鮑の肝ソースがすごくおいしい

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ところで、75度4時間加熱の鮑は、肝をソースに加工して一緒に食べました。

肝ソースは、鮑の肝(生)を裏ごしした後、同量の料理酒を加えてひと煮立ちさせ、見た目で1/3くらいの量の醤油(醤油によって塩分量が違うので、実際の量は味を見ながら決めて下さい。)を混ぜて作りました。写真の奥は、これを冷ましたものです。これがちょっと苦くてコクがあり、すごくおいしい。前回の鮑の身と一緒に蒸したものよりもソースに加工するほうがずっと好みでした。

写真の手前は、醤油を加えた肝ソースに、さらにひとかけらの発酵バターを溶かしいれたものです。こちらのほうがジャンクなのですが、脳を直撃する系の旨さがあり、つまりは優勝でした。このまま飲める(体には悪そう)!

まとめ

ということで、鮑を低温調理(というか湯煎調理)するのであれば、75度以上の温度で4時間加熱するのがお勧め、しかし、そもそも高温で3時間蒸す方がさらに柔らかくなるのでまずは普通に蒸す方法を試してほしい、肝は醤油ベースのソースにしよう!というのが、今回の結論です。

これまでの低温調理

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